映っているものが
どんなものであるか
君にわかるかい？
最期に見たのは
笑いながら
自分の首を切る
残酷な人間の姿
そんな事をする人間が異常なだけだって
君は言い切れるのかい？
無表情な顔で
ゲームしているような目で
世界を見ている君が
君は子猫を飼った事があるかい？
あるいは小鳥を
僕のような子鼠でもいいのさ
無力な小さな生き物を
その腕に抱いて
あるいは
手の平に乗せて見た事があるかい？
小さくてやわらかくて
温かい身体の熱を
感じた事があるかい？
君だって生まれた時は
僕のように無力な
小さな命だったじゃないか
僕の事を
取るに足りない
小さな鼠だなんて言わないでよ
一生懸命
巣に餌を運んでいる
蟻を踏み潰したりしないでよ
君だって誰かから見たら
その蟻のようにちっぽけな存在なんだから
また近くで首を切られた子猫が見つかったんだって
そんな事をする人間が異常だって言うのかい？
その誰かが幼い頃
僕のような子鼠
あるいは子猫を飼っていたなら
同じ事をしたと思う？
小さな無力な命と寄り添った事があったら
温もりを交わしたなら
同じ事が出来たと思う？
ゲームしているような目で
世界を見ないで
死んでしまった子猫の痛みを
ほんのちょっとだけ考えて欲しいんだ
僕は小さな命を想う心が
世界を救うんだって信じている
だから
小さく無力だった君を愛しんで育てた誰かのように
死んでしまった子猫の事を
心の中で優しく抱きしめてあげて欲しいんだ
小さな僕をその手に乗せて
優しくくるんで欲しいんだ