人と組織の問題を劇的に解決するU理論入門 | 幻想斬り士と呼ばれて

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  心の囚われを解き放つカウンセラーのブログ

最近出版されたU理論の入門書となる
「人と組織の問題を劇的に解決する~U理論入門」を読みました。

「U理論」は、

オットー博士という先生が、ある会社の依頼され、

様々な分野で革新的な業績を残している
(創造的な変化を起こし結果を出している)

150人のリーダーにインタビューし、

そこから、革新的な業績を残している人と普通の人の違いは、

それを推進しているリーダーの「内面の状況」に

かかっているという結論に達します。

そしてその「内面の状況」とは

一体どのようなものなのかを

研究したのが「U理論」だそうです。

具体的には

1、「起こっている事を判断せずにただ観察する」

2、「内なる叡智の出現を受け入れ」、

それに従って

3、「即興的に行動する」

というプロセスを繰り返すことによって、

問題を作りだした思考レベルを超えて、解決策を生み出していくと。

まあ、これってまさに人が変容していく時のプロセスと同じで

幻想斬りでもこれに近いことをやっていると思うのですよね。

変容のプロセスって、経験した人じゃないとわからない

言葉では説明が難しい事が起こっているのだけど

それを説明する一つのツールを教えてもらったという感じです。


幻想斬りの個人セッションでは、質問しながら

ホワイトボードに話してくれる内容を書いていく。

するとある瞬間、まるで稲妻が走るようにすべてが繋がり

そこに書かれた思考パターンから

その人の人生そのものが浮かび上がってくるのですよ。
(今までの視点を越えた見え方が現れる)

これはグループでも同じで

公開セッションで参加者の人に自分の課題を出してもらうのですが

参加者一人一人は全く違う課題を持って参加しているのに


最後に見えてくるのは

参加者一人ひとりの課題が絶妙に組み合わさっていて

その人の変容に繋がっていたと。それがなければ

その変容は起こらなかったとわかるのですよね。


そしてさらにはその一人の変容が

参加者一人一人の課題にも繋がっているという

まるで私たちの認識を越えたシナリオがあって

それに沿ってみんながこの場に集められ

これが起きたとしか思えないような事が起こるのですよ。

これをこの本でいうと内なる叡智と呼んでいるのだと思うのですよね。

でもそれにはコントロールと恐怖心を手放し

カオスな世界に身をゆだねる

=自分という存在と世界を深く信頼する意識状態

それを仏教の人たちは他力本願と言ったり

しているんじゃないかな。

大げさに言うとこういう言い方になるけど

実は、不登校の子が学校に戻れるようになる時の

支援の仕方もこのプロセスと一緒なんですよね。

面白い本でした。


人と組織の問題を劇的に解決するU理論入門
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