詐欺に遭い全財産を失った話しーその2
午前中、私は差し入れを持って妹の所を訪れていた。「美味しいなあ美味しいなあ」と目を細めながら欠けた前歯で嬉しそうにチョコケーキを頬張る妹をみて、ああ、いろんなことがあったけどこの人はバカみたいに美味しいものを食べている時が一番幸せなのかもしれないな、まあ、いろいろあったけど出来る範囲で助けてあげよう。と思いながら帰宅した。家に着いた頃、lineが鳴った。妹が画像を送ってきたのだ。カードの明細書で、口座番号と名前と電話番号が記入されている。すぐに返事を返す。どうしたの?この画像はどういう意味?いや、送っていないよ、と妹。夫と私はlineの乗っ取りを疑った。もしかして前の詐欺師とラインで連絡をしたことがある?「ある」ということで調査を始めた。すると、妹のスマホにはこの画像以外にも、キャッシュカードのカード番号と裏のセキュリティーコード番号を撮って送信した履歴が残っているではないか。驚愕した。震えた。嘘を見破りながらの聞き取り。結局彼女は、まだまだ詐欺被害いあい続けていたのだった。「いや送ってないよ」は嘘で、私に送ってきた口座番号の画像は、犯人に送るつもりが間違って私に送ってきてしまったというものだった。破産しているのでカードが使えない。(そのカードが使えないことに本人は気が付いていないけど)それが幸いして被害に遭うことなかった。しかし、だ。彼女は今もなお、詐欺師と関わり続けているという事実が明るみに出た。バレたか。。というばつの悪そうな顔。それだけ。反省の気持ちは全くない。スマホが原因なのでスマホを取り上げようとするが、断固拒まれる。スマホを持っていることがこれだけ危険であるとどれだけ諭しても、絶対に譲らない。これは一体、なんという病気なんだろう?スマホを調べると詐欺の儲け話のコミュニティに40件以上登録していたので、毎日眺めているうちに捲込まれたんだろうか。お金に対する執念がとても強いのは解る。生活保護のお金じゃ満足していないのだろうというのもわかる。判るが、詐欺だということにさえ気が付かずずっと一攫千金を目論む。これって何の依存症なのかな?生活保護は最後の砦であり、こんな恵まれた救済は他に無い。どれだけ感謝しても足りないくらいの有難い保証。感謝の気持ちが、無いのだ。少しでも彼女を信じようと思った私はバカだった。彼女の幸せは願うけど、もう私たちとは全く関係のない所で自立してどうかひっそりと楽しく生きて行って欲しい。このままでは被害者から加害者の側に回ってしまうのではないかと、心配している。どうやって彼女に接したらいいんだろう?頭を悩ませている。