夏の甲子園…駒大苫小牧と僕 | げんかや14号店                     ~早稲田の中心で、トムヤムうどんを作った~(仮)

夏の甲子園…駒大苫小牧と僕

夏の甲子園――。


駒大苫小牧が優勝して、3日がたちました。


8月20日…。


あの日、僕も選手と一緒に苦しんでいた――。











僕には、あるジンクスがあるんです。


しかも恐ろしいほどよく当たるジンクスが。
















僕が甲子園を見ると…






















応援したほうが必ず負ける。

























高校球児がどんなにがんばっていても、どんなに苦しい練習耐えてきたとしても、






必ず負ける。



私のジンクスにはかなわない。

(ごめん、高校球児たち。でも僕にもどうしようもないんだわ。泣)





そう…。









僕が応援した高校は、みな、泣きながら甲子園の土を持ち帰ることになる――。
















まさに僕は、














甲子園に潜む魔物の化身。

(別名:甲子園の疫病神


















今年も例外ではなかった。
















まず、手始めに…



















日大三高(←犠牲者)を応援してみました。


準々決勝:日大三(東京)vs宇部商(山口)























負けました。

見事な9回逆転負けです…。泣

















日大三だったら絶対勝つと思ったのに…。

この試合、きょうことビールを一杯賭けてたんですが。













日大三野球部のみなさん、すみませんでした。

たぶん負けたの俺のせいです。泣
















で、僕が本当に応援していたのは南北海道代表、駒大苫小牧高校なわけなんですけど、















初戦から、極力見ないようにしてました。















だって、見たら本当に点取られるんだもん。泣















でね、


2回戦:駒大苫小牧×聖心ウルスラ6-0で勝利。

3回戦:駒大苫小牧×日本航空13-1で勝利。









駒大苫小牧、むちゃくちゃ強いわけなんですよ。














2回戦も3回戦もがんばって見なかったけど、こんなに強いんだったら




4回戦(準々決勝)は、俺が見ても大丈夫かなー





って思うじゃないですか。


で、見てみました。試合開始から。









準々決勝:駒大苫小牧×鳴門工


























試合開始直後に2点取られました。泣


で、7回表まで見てたんですが、ボコボコに打たれて1-6で5点差

敗色超濃厚。泣

やっぱ俺が見たら負けるんだ(T_T)って思って泣く泣くテレビを消しました。











……。













それから40分後くらいでしょうか…。





そろそろ決着ついたかなと思って再びテレビをつけたら、


















駒大苫小牧・香田監督がインタビューを受けているではないか!!!!!!

(高校野球では、勝ったほうの監督しかインタビューが流れないんです)







なに?勝ったのか!!!???



わけがわからない僕。



よくよく見ると、なーんと7-6で駒大苫小牧、5点差を奇跡の逆転勝利!!


しかも僕がテレビを消した直後に逆転してるよコノヤロウ。




香田監督が涙ながらにインタビューに応える。


香田監督:「本当に…もう…自分でもわけがわからなくて…本当に、奇跡だと思います」

























監督!それ俺のおかげだと思います!!!

(俺がテレビを消したから!!)











駒大苫小牧のイバラの道は続く。



準決勝:駒大苫小牧×大阪桐蔭





この試合、僕はがんばって見なかったんですよ!

だって準決勝だもの!!ここまでくるだけでもすごいじゃないですか!!

ぜひ決勝まで残ってもらいたい!


だから俺はテレビを見ない。

そう心に決めていました。
















…7回までは。


時々インターネットで速報をチェックしているうちに、どうしても見たくなっちゃったんですよ。。


だって5-0で勝ってたし!!


で、ちょっとだけ見ようと思ってテレビつけたら

















5点取られました


ありえねぇ…!!


なんなんだよ。泣 都合よすぎるよ。泣


なんなんだ俺の運命は。泣















で、テレビ消したら















駒大苫小牧延長戦で執念の勝利…!!!!!!


おめでとう!!!!!!!!!


俺が見なかったからだ…!!!!!!!泣















ついに決勝戦。


決勝:駒大苫小牧×京都外大西!!


泣いても笑ってもこれで最後。これで勝てば全国制覇。高校野球児の、熱い夏のフィナーレです。




なぜかシンゴが僕の家に押しかけてきて、一緒に見ることに。

僕はシンゴに一応言っておきました。


僕:「シンゴ、俺はあんまりテレビみたくないんだけど」


シンゴ:「なんでだよ?せっかく決勝まで残ってるのに応援しようよ」


僕:「いや、俺が見ると…その…負けるんだよ。まじで」


シンゴ:「なに言ってるんだよ。そんなん関係ないじゃん。まぁとりあえず、初回だけでも見ようよ」


僕:「うん…。でも、本当に点取られるぞ…」



こういうやり取りがあった数分後…。












やっぱり点取られた。泣

(しかも大会中ひとつもなかったエラーで…俺のせいだ。泣







シンゴ:「ほんとに取られた…」


僕:「だから言っただろ!もう見ないからな!」


ブチッ(テレビを消した)




それから数分後…。


ちょっとテレビをつけてみると、




やっぱり

僕がテレビを消した直後に駒大苫小牧が追いついている。

1-1。接戦の様子。

そしてまた僕はすぐにテレビを消した


僕がテレビをつけている間にまた点を取られたらマズイもんな。北海道で応援している人たちにも申し訳ない。駒大苫小牧の選手のお父さんお母さんにも、あわせる顔がなくなるし、僕が北海道に帰れなくなる…。















しかし、シンゴがダダをこねる。


シンゴ:「やっぱり見ようよー。すごい面白そうな試合じゃーん」


僕:「うるさい。見たら負けるんだよ。俺は絶対見ない」


シンゴ:「え~見たいよー見たいよー」


僕:「仕方ないな…。じゃあ…



俺は外を散歩してくる。



その間お前はしっかり応援して、試合に動きがあれば携帯にメールしろ」



シンゴ:「イエ~イ!わかったー!」






てなわけで。


なぜか僕は用もなく真昼の東京(気温34度)を散歩することに。泣


しかし、この苦しい暑さも













駒大苫小牧優勝のためだ…!!


僕は必死で歩いた。

何か、自分の家から遠ざかれば遠ざかるほど、駒大苫小牧が勝ちそうな気がしてならなかった。


ギラギラと太陽が照りつける中、コンクリートの地面から地熱が湧き上がる中、汗をダラダラに滴らせて、僕は夢中で歩き続けた。








そして、真夏の青空を見上げ、ときどき心の中でつぶやく。





駒大苫小牧ナインよ…がんばっているか…?










不意に携帯にメールが入った。


シンゴからだ!試合が動いたのだ!!


このメールは吉か?凶か?














「5回、6回に1点ずつ加えて、3-1で駒大苫小牧がリード!!」










吉だった!!!!!!









僕は大急ぎで家に帰った。

すると…


シンゴ:「けいじ!何しに来た!なんで帰ってくるんだよ!!」


僕:「え?」


シンゴ:「やばいって!今ピンチなんだから!あっ…!!!




なんと、僕が帰ってきたと同時に、


駒大苫小牧の要・主将林くんがまさかのエラー。続けざまに打たれる!!


2点…取られた!!!


3-3!!!同点!同点!!!!!


追いつかれた!!!!!!!!!









僕:「シンゴ…やはり俺はここにいてはならないようだ…泣」


シンゴ:「そうだな。それが一番いい」


僕:「試合終了のツーアウトになったら教えてくれ。そしたら行く。ギリギリまでわからないからな。俺がいると…


シンゴ:「わかった。ツーアウトになったら教えるよ。」




僕は再び自分の家を出た。

そして、アパートの屋上へ行く。


ここで、9回まで祈ろう…。




セミの鳴き声がけたたましく聞こえる。

遠くを見つめながら、僕はシンゴのメールを待っていた…。






すると











「けいじが家を出た直後に駒大苫小牧が2点追加!!」








シンゴからメールが!!

てかなんでイチイチ俺が見ないところで点を取るんだ駒大苫小牧!!泣




しかしそんなことはどうでもいい!!とにかく2点リードした!!これで5-3


このまま逃げ切れば…!!!!
















それから数十分後。















「9回、ツーアウトだよ」と、シンゴのメール。















僕はゆっくりと屋上から降りる。


家に帰ると、テレビがついている。


でも、僕はもうテレビを見ようとは思わなかった。


もう、僕は信じている。次の一球で試合は終わる。





駒大苫小牧・2年生ピッチャー田中君が思いっきり投げ込む。


三振――。


最後は150キロの剛速球だったらしい。














駒大苫小牧、優勝。









こうして、僕と駒大苫小牧の熱い夏は終わった。


感動をありがとう、駒大苫小牧ナイン。




俺はほとんど見ることはできなかったけど、この熱い思いは届いたはず。


こころは、ひとつになった――。


























まぁ、決勝戦のヒーローは俺だよね、みんな。


そうだと言ってくれ。泣