1.前回までの話

「民主的な議会VS非民主的な王権」という構図は過去のものとなり、かつ執政権・行政権は「民主的な議会」が関与しなくても民意が実現する統治機構に、一応、なっている。ここに、「議会は本当に必要か?」という疑問が出てくる。

http://ameblo.jp/genjyoudaha/entry-11152612609.html


2.「民意」はあるか?

使われる文脈により「民意」という言葉の意味はマチマチなので、一刀両断にはできないが、市民の総体としての意思というものはないと考えられる。市民一人ひとりに意思があるのは当然だが、「市民の総体」というものは意思無能力であるからである。

そこで、「民意」とは何かを探り、そして解釈する必要が出てくる。その役割は、地方自治においてはもちろん、民主的に選ばれた首長と議員が担うことになる(二元代表制)。


3.均衡

そして、民意の探求と解釈をめぐり首長と市議会とが緊張し均衡を保つことこそが二元代表制の本質であると考える。神の意思の探求と解釈について教皇主義と公会議主義が対立したように。


この緊張と対立がなければ、かつての王権(とはいっても司法権と立法権は独立している)を担う役割が首長の選挙による選出により民主的統制に服し、かつ、条例案のほとんどが行政によって提案される現在において、議会は不要であろう。


議会と首長とが民意の探求と解釈をめぐり緊張すればするほど、選挙やレファレンダム及びレファレンダム的なものの意義が大きくなり、政治に「民意」がより反映されるという仕組みが出来る。


(後日に続く)