LONDON 建築家達が設計した駅 | GENETO

LONDON 建築家達が設計した駅

$GENETO-Nicholas Grimshaw

Waterloo International Terminal
Nicholas Grimshaw & Partners
1993

LONDONの駅で最も印象深いのはWaterloo International Terminalなのは、僕だけでしょうか。
近代建築を勉強したら一度は目にするのではないでしょうか。
最も彼を有名にした建築の一つであると思います。
学生当時はハイテク技術を駆使して建築を設計する彼のスタイルは、ある種の憧れでした。

最近は、彼の話題はあまり日本に入ってきませんが、UKではフォスター、ロジャースと並ぶ有名事務所です。

書籍では何度も見かけたこの駅ですが、実際に目の当たりにすると、巨大なスケール感と対照的に部分の繊細なディテールに驚かされます。
現在は廃館しており外から見る事しかできませんが、大きな幼虫の様な独特の建築が都市に出現している事自体がアンビバレントで、その場の魅力を作っている様に思います。

$GENETO-Nicholas Grimshaw



同じ駅構内の地下鉄も彼の設計による物です。
GENETO-Nicholas Grimshaw

地下鉄が発達しているLONDONですが、色々な駅を建築家が手がけています。
現在も彼らしいスタイルが貫かれており、それがしっかりと受け入れられているUKは、僕達の暮らしている日本とは文脈が全く違う事を感じさせられます。

GENETO-Nicholas Grimshaw


GENETO-Nicholas Grimshaw



Paddington Stationも彼の設計によるものです。
この駅はHeathrow Air Portと電車で繋がっている駅ですが、ちなみにHeathrowも彼の設計によるものだから、 LONDONの窓口は彼の作品で埋め尽くされているようです。
$GENETO-Nicholas Grimshaw

ヨーロッパの駅らしく、鉄骨による大空間です。
このスケール感は日本ではなかなかお目にかかれない。
気持ちの良い空間です。

$GENETO-station

Nicholas Grimshaw & Partners


駅関連で、もう一つ印象的な駅はFoster&Partners設計によるCanary Wharfです。
$GENETO-Norman Foster

Canary Wharf
Foster&Partners
1999

LONDON東部にある大規模なウォーターフロント再開発地域で、この辺りは金融の中心でもあります。

先ず驚くのは地下であるにもかかわらず、階高がやたらに高いことです。
このダイナミックな地下空間は、地下である意味があるの?と冷静に思わせるほど大きく、公共空間でここまでデザインしきっているフォスター卿の力量の凄さにただただ驚かされるばかりです。

ただ、これだけのスケールを持った空間を使いこなせるのは、流石だといわざるを得ません。
階段やエスカレータ、柱などそれぞれのボリュームがしっかり検討されており、それなりにわざと大きく設計されています。

GENETO-Norman Foster


GENETO-Norman Foster


GENETO-Norman Foster

Foster&Partners


日本でも安藤忠雄氏による新渋谷駅、伊東豊雄氏のみなとみらい線 元町・中華街駅、渡辺誠氏の地下鉄飯田橋駅等、建築家の設計による地下鉄の駅を見る事ができますが、まだまだ少ないと思います。
日本に戻りこの現状を公共交通のコンサルタント業をしているM氏に話すと、日本では公共交通も「赤字路線は駄目」という世論がありますが、ヨーロッパではそういう概念では無いらしい。
「公共の物だから、赤字でも皆が親しめるようにしていこう」という概念らしく、最初から違っているようです。
むしろ、そういわれると公共交通が赤字でも、安くて親しみ深ければそれで良いかもしれない。
ただ、働く人の賃金が途方も無く高いであるとか、無計画に公共事業をしたせいで、財政が破綻寸前だとか・・・目に余る実態もあり。。また、その辺りを上手く説明せず、公共事業イコール悪というようなメディアの間違った先導があり、なかなか公共交通も良くなりません。
お陰様で、どの駅も取り柄がなく、空間は暗く閉塞的で人だけがやたらに多い、非人間的な空間がどの駅に降りても味わえますが。
恐らくローコストであることと、実績重視で設計者を選定しているのでしょうが、それだけでは前に進まないことを改めて感じました。

LONDONの駅はGENETO自身もURBAN PASS PARK(小田急線路跡地計画 )で、取り組んだ過去もあるお陰で、色々と興味深く見ることができました。
いつか、駅の設計などもしてみたいと、改めて想いを巡らせるばかりでした。

ちなみに、今回のブログしかりFoster&Partners設計のネタが多いですが、そんなに僕自身は好きではありません。
ただ、それだけLONDONには彼の仕事が多いということでしょう。

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山中コ~ジ