デイリーバイテン -3ページ目

ウラジロイチゴ

 

             写真1

 

 

 

             写真2

 

 

 

 

             写真3

 

 

 

 

     写真4
 
  バラ科 ウラジロイチゴ(エビガライチゴ) Rubus phoenicolasius
 
   山に生える落葉低木。北海道ー九州、朝鮮半島、中国に分布。高さ2mくらい。茎は斜上し
 
 て伸び、赤紫色の腺毛(液体を分泌する毛)と刺を密生する。葉は奇数羽状複葉で通常小葉
 
 は3枚であるが、徒長枝では5枚のことがある。頂小葉は大きく長さ5-8cmで切れ込みが
 
 あって3裂することもある。小葉の裏は綿毛が密生し、色は銀白色になる。葉脈上に腺毛と
 
 刺がある。花期は6-7月。萼片に腺毛と軟毛が密生する。花弁は長さ4-5mmで、既掲
 
 載のナワシロイチゴ同様直立し、平開しない。花が終わると萼片は一度閉じ、実が熟し大き

 

 
 くなるとまた開く。
 
   写真1,2,4 2017.6.23 福島県耶麻郡西会津町奥川 写真3 2014.7.13 
 
   東京都 高尾山
 
      写真説明:写真3 実。まだ熟していない。8月に熟し赤くなり、直径1。5cmくらいになる。

ミズタビラコ

 

             写真1

 

 

 

             写真2

 

 

 

 

             写真3

 

         ムラサキ科 ミズタビラコ Trigonotis brevipes

 

         山野の湿地に生える多年草。本州ー九州に分布。高さ10-40cm。茎、葉、

 

        萼筒にまばらに太く短い毛が生えている。葉は長さ1.5-4cm。花期は5-6

 

        月。茎の先端に1個から数個の花序をつける。花冠は直径2.5-3mm。喉部

 

        に副花冠がある。花は花序の下から上に咲いてゆく。実は4分果で、分果の形

 

        は4面体。

 

         和名について:ミズは湿地や水辺に生えることから。タビラコは同属のキュウリ

 

         グサの方言名。キク科のタビラコ(コオニタビラコ 春の七草のホトケノザ)はま

 

         ったく別の植物である。このように同じ名前が科を超えた植物に使われることが

 

         多い。例えばベンケイソウ科のキリンソウとキク科のアキノキリンソウ、モクセイ

 

          科のアオダモ、クスノキ科のシロダモとニレ科のアカダモ(ハルニレの北海道で

 

         の方言名)等々。

 

         写真1,2 2014.6.8 写真3 2017.6.23 福島県耶麻郡西会津町奥川

 

         オリンパスE620 写真1,2 デジタルズイコーマクロ50mm 写真3 ズイコー

 

         マクロ90mm 中間リング、アダプター使用

 

         写真3の説明:未熟な実。4面体の分果が4つ宿存する萼筒の中に写っている。

 

         萼筒は花時より少し大きくなっている。分果は熟すると茶褐色になる。

トウゴクシソバタツナミ

 

               写真1

 

 

               写真2

 

 

 

               写真3

 

 

 

               写真4

 

         シソ科 トウゴクシソバタツナミ Scutellaria maekawae forma.abb-
                                                    reviata
 
          山の林床に生える多年草。本州(中部ー東北地方南部)*に分布。高さ5-
 
         20cm。茎には下向きの毛と開出(茎に垂直についている)した毛が密生して
 
         いる。葉は長さ1.5-3cm。表側には密に毛が生え、裏面の葉脈のところに
 
         毛が生えている。表の葉脈のところに白や紫色の斑が入ったり、裏面が紫色
 
         の個体もあるが、写真のもののように両面とも緑色の個体もある。花期は他の
 
         タツナミソウ属の植物と比べて遅く、5月下旬-6月。
 
           *平凡社刊「日本の野生植物」の記事に依ったが、インターネットでは兵庫県
 
          で撮影された写真が載っていて、見たところ茎の毛の特徴等からトウゴクシソ
 
          バタツナミに違いないと思われる。
 
          写真1、4 2016.6.4 東京都 御岳山 写真2,3 2016.5.26 同 
          高尾山
 
          いずれもオリンパスE620 デジタルズイコーマクロ50mm 

ツレサギソウ

 

             写真1

 

 

 

             写真2

 

 

 

 

             写真3
 
          ラン科 ツレサギソウ Platanthera japonica
 
          山の林床や明るい草原にに生える多年草。北海道南部ー九州に分布。高さ
 
         30-50cm。葉は5-8枚をつける。下部の葉は長さ10-20cm。上部の葉
 
         は小さい。花期は5-6月。背萼片は1対の側花弁と一緒に丸まりかぶと状に
 
         なる。側萼片1対は横に開く。唇弁は細長く、長さ13-19mmで黄緑色を帯び
 
         ている。距は緑色で非常に長く、長さ3-4cm。
 
           いずれも2015.5.26 東京都 高尾山オリンパスE620 デジタルズイコー
                                                 マクロ50mm
 
          撮影後記:写真1と2はご覧のとおり光線の状況が悪かったので撮り直すつ
 
           もりであったが、2016年からは見当たらなくなった。盗掘された跡はなかっ
 
           たが。

オウギカズラ

 

     写真3

 

 

 

             写真2

 

 

 

 

             写真3
 
         シソ科 オウギカズラ Ajuga japonica
 
         山の林縁、林床に生える多年草。本州ー九州に分布。高さ8-12cm。葉は不
 
       規則な浅い切れ込みがあり、長さ2-5cm。花期は4-5月。花冠の長さは2.5
 
       cmくらい。色は淡紫色。上唇は2裂し、下唇は3裂し、真ん中の大きい裂片はさら
 
       に2裂する。匍匐枝を伸ばして繁殖するので、蔓植物ではないがこのような和名が
 
       ある。
 
         写真1 2018.5.12 写真2,3 2017.5.19 いずれも東京都 高尾山
 
               オリンパスE620 デジタルズイコーマクロ50mm

ノイバラ

 

             写真1

 

 

 

             写真2

 

 

 

 

             写真3

 

 

 

 

     写真4

 

  バラ科 ノイバラ Rosa multiflora

 

    河原や湿地、路傍等に生える落葉低木。北海道(西南部)-九州、朝鮮半島に分布。

 

   高さは2mくらいになる。葉は奇数羽状複葉で小葉は7-9枚。小葉の長さは2-4cm。

 

   花期は5-6月。多数の花か らなる円錐花序をつける。花は直径0.8-1.3cm。雄し

 

   べは多数で、数本ある雌しべの花柱が合着してこん棒状になる。実は長さ8mmくらい。

 

   花は小さく地味であるが、強い香りはまさしくバラのかおりである。この植物は病気に強

 

   いのでバラ類の栽培の台木に使われる。また、小さい花をたくさんつけるバラの品種を

 

   作るため交配に使われたこともある。

 

    学名について:rosa ラテン語 バラ multiflora ラテン語 多くの花

 

    写真1、2 2017.5.9 埼玉県さいたま市浦和区、写真3 2011.5.18 埼玉県

 

    さいたま市 秋ヶ瀬公園、 写真4 2010.10.26 同上  

 

    いずれもオリンパスE620 デジタルズイコーマクロ50mm

ミヤマキケマン

 

     写真1

 

 

 

     写真2

 

 

 

 

               写真3

 

 

 

 

             写真4

 

         ケシ科 ミヤマキケマン Corydalis pallida var.tenuis

 

         山野の林縁等に生える2年草。本州(近畿地方以東)に分布。高さ20-45

 

        cm。既掲載のキケマン同様茎は根元で多数分岐し、地を這って伸びて立ち上

 

        がるが、 キケマンほどの大きな株にならない。葉は1-2回羽状複葉で  小葉は

 

        深裂する。花期は4-6月。花序は総状花序で長さ4-10cm。花の長さは2cmくら

 

       い。実は 線形で長さ2-3 cmで、数珠状のくびれがある。

 

         写真1 群生ではなく、これで1株である。2005.5.5  

 

         写真2 群生 2012.5.1

 

         写真3 花 2005.4.17 写真4 実 2017.5.19

 

         写真1-3 福島県耶麻郡西会津町奥川 写真4 東京都 高尾山

 

         写真1,3 オリンパスOM4 ズイコーマクロ90mm フジクロームベルビア

 

         写真2,4オリンパスE620 デジタルズイコーマクロ50mm

ナニワズ

 

             写真1

 

 

 

             写真2
 
          ジンチョウゲ科 ナニワズ Dapphne pseudo-mezereum subsp.jezo
 
          -ensis                                             
                                            
          山に生える落葉低木。北海道ー本州(福井県、福島県以北*)、南千島、サハ
 
        リン南部に分布。高さ50cmくらい。葉は枝先に互生し、長さ3-8cm。花期は4
 
         -5月。花弁がなく、萼筒が花弁状になるのは既掲載の同属のオニシバリと同様
 
        である。真夏に葉を落とし休眠するのも同様である。植物図鑑にはこの植物はオ
 
        ニシバリと同様はっきりしない雌雄異株だと書いてある。よくわからないのでインタ
 
        ーネットで調べると雌雄異株で雌花は雄しべもあるが、花粉を出さず、雄花は雌し
 
        べもあり、実もできるとのことでややこしい。雌株のほうがよく結実し、雄花のほう
 
        が雌花よりすこし大きいそうである。この写真の花が雄花か雌花かわからないが
 
        花の美しさを見て欲しい。オニシバリの花の色が地味な黄緑なのに対して鮮やか
 
        な黄色である。
 
        和名について:子の和名は古今和歌集の序文に出てくる「なにはづに さくやこの
 
        はな ふゆごもり いまをはるべと さくやこのはな」という和歌と関係ありそうに思
 
        えるが、実際そうだという説がある(新牧野日本植物図鑑参照)。しかし、小生はこ
 
        の説が根拠あると思えないし、長くなるのでここでは省略する。
 
         写真1,2とも 2014.4.27 福島県耶麻郡西会津町奥川で
 
         オリンパスE620 デジタルズイコーマクロ50mm

アケボノスミレ

 

             写真1

 

 

 

             写真2

 

 

 

 

             写真3
 
         スミレ科 アケボノスミレ Viola rossii
 
          山に生える多年草。北海道南部ー九州中部、朝鮮半島、中国、ウスリーに分
 
        布。高さ5-10cmくらい。花期は4月中旬-5月。花が全開しても葉が完全に
 
        開いてないことが多いのはこの植物を含むスミレサイシンの仲間の特徴である
 
        が、 この植物はその傾向が著しく、花が全開しても葉がないように見えることが
 
        多い。花は直径2-2.5cmで、大きくスミレサイシンと同じくらい。色はかなり濃
 
        い赤紫色である。葉が展開を終えると先が急に細くなるスミレサイシンのような葉
 
        となる。この植物は同じ仲間のナガバノスミレサイシンが半日陰の場所を好むの
 
        に対し、乾き気味の明るい雑木林に多いとあるが(山と渓谷社刊いがりまさし著
 
        日本のスミレ)、小生が撮影したのは相当暗い場所だった。
 
         写真1 葉がまだ開いていない。2017.4.25 写真2 葉が開いたもの。
 
                                             2016.4.26
 
         写真3 2015.4.19 いずれも東京都 高尾山 オリンパスE620
                                デジタルズイコーマクロ50mm      

ムラサキケマン

 

     写真1

 

 

 

                写真2

 

 

 

 

             写真3

 

 

 

 

             写真4

 

         ケシ科 ムラサキケマン Corydalis incisa

 

         低地の林縁等に生える2年草。北海道ー沖縄、中国(本土、台湾)に分布。高さ

 

        20-50cm。葉は2回3出複葉。小葉は3出状、羽状に深裂する。花期は4-6

 

         月。花は長さ12-18mm。実は長さ15mmくらい。

 

         写真1 2012.4.25 埼玉県日高市 写真2 2005.4.16 埼玉県さいた

 

         ま市 秋ヶ瀬公園

 

          写真3 実 実は熟すると弾けて種子を撒き散らす。花の時期には見え

 

         にくかった苞葉がはっきり写っている。2013.4.23 埼玉県日高市

 

         写真4 このように花の色が白っぽいタイプを時折見かける。2016.4.19

 

         埼玉県飯能市 写真1,3,4 オリンパスE620 デジタルズイコーマクロ50

                                                    mm

 

         写真2 オリンパスOM4 ズイコーマクロ90mm フジクロームベルビア