明確なパッケージデザイン「ストロング」(飲料篇)
おはようござます!
今週に入って少し秋の気配がしてきたようですが、体調を崩さないよう
はりきっていきましょう。
では、今週もよろしくお願いいたします。
キリン氷結レモン 「ストロング」が2008年5月に発売して以来
発売1ヵ月で年間目標70%を達成し、発売から3週間で出荷が
1000万本を突破、発売から1カ月で既に89万ケースを売り上げており、
キリンの内部だけでなく、流通関係者からも驚きの声が上がっています。
若者のお酒離れとともに、最近はお酒のマイルド化と健康志向を
前面に打ち出した糖質オフやカロリーオフの商品が売れているなか、
従来の氷結レモンよりあえてアルコール度数を上げた8%の
氷結ストロング 発売に踏み切り、「ストロング」というアルコールが
強いということを明確に打ち出したパッケージデザイン
で結果を残しました。
チューハイの定番に育った「氷結」でアルコール度数を意図的に
上げるという無謀にも思えた新商品開発には社員や流通関係者
からは「中身をいじるのはリスクが多き過ぎる」と反対の声が
上がっていたにもかかわらずキリン商品開発チームは
「絶対必ず需要はある」と説得して回ったそうです。
しかも、パッケージデザインでも「ストロング」と全面に打ち出すにも
かなり反対があったに違いありません。
いつも自分の仕事でも感じているのが中途半端なデザインでは
消費者には伝わらない!ということです。
見事にキリン商品開発チームは周りの反対意見に左右されず、
パッケージも明確なデザインにした結果の勝利だと思います。
氷結ストロングのヒットは、パッケージデザインに加えて、
商品開発チームの予想を超えたところで起こっていたところにも
興味を覚えました。
氷結ストロングは実は30代~40代の焼酎ヘビーユーザーに向けて
開発された新商品でした。
アルコールを8%に上げることによって、
「これぐらいのアルコール度数ならチューハイをたまには飲んでも
いいかな」と思ってもらえるだろうということで。
ただ、フタを開けると予想外にも20代の若者が一番購入していた。
発売後のコンビニエンスストアでの販売実績から明らかになった
そうです。
興味深い調査で、
「どんな時に氷結ストロングを飲みたいですか」
というアンケートをすると、20代の若者だけは
「ストレスがたまった時」「酔いたい時」
という回答が突出していた。
仕事やプライベートや生活のなかで、
今時の若者は想像以上にストレスをためこんでいるのかもしれません。
若者のお酒離れが起こっているという先入観からは、
お酒を飲むことによってストレスを発散したいという気持ちがある
なんて想像できなかったに違いありません。
でも確実にそこには需要があったという結果です。
飲み屋で飲んで帰るのではなく、帰り道のコンビニで立ち寄って
チューハイを買うという興味深いデータです。
よく起こることですが、想定外のことが起こるのも
パッケージデザインの面白いとこだと感じます。
みなさんの会社も常識をくつがえしてデザインに
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