福島から来た17歳。 | 独国奮闘記2

福島から来た17歳。

現在、フォルトナU19に日本からテスト生が来ています。


17歳で、日本とアメリカのハーフのクリス。



実は彼、日本の福島県にあるJアカデミーの選手なんです。


日本サッカー協会が5年前に、サッカーのエリート教育を目的として設立したJアカデミーの1期生。


サッカー関係者はご存知と思いますが、Jヴィレッジのすぐ横の施設で暮らし、トレーニングに励んでいる子達です。



そしてこの施設とは、、、


今回いろいろと原発問題で取り沙汰されている福島原発から20km圏内にあるんです。


ということで彼らは地震直後からすぐに避難を余儀なくされ、その後3日間の避難生活を経て、それぞれの地元へ退避させられたんだそうです。



全国に散り散りになった子供達はいろいろな配慮を受け、様々なところで練習参加をさせてもらっているそうです。


クリスは沖縄出身なので、こちらに来る前まではJFLの琉球FCにお世話になっていたそう。


そして今週からはドイツ2部のフォルトナ・デュッセルドルフへ練習参加する運びとなりました。

(一応、事前から話は進んでいましたが・・・)




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ハーフなので、外人の中に入っても遜色がないクリス。


身長も17歳ながら179cmと大柄。


中に入っても見た目では見劣りしません。



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初日の練習後、コーチと会話。


アメリカとのハーフなので英語はネイティブですが、あとで聞いたら「英語とドイツ語を交えて話しました」と。



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実はクリスは1年前にも練習参加に来たことがあるんです。


そのときはドイツ語は全く出来ず、あまりコミュニケーションが取れませんでした。



そのときに、これを勉強しろ、とあるリストを渡しておいたんですが。


彼はそれを1年でしっかりと覚えてきていました。


オレが作ったドイツ語サッカー用語リストで、サッカーの短期留学に来る北陸大学の学生にもテキストとして使っているものです。



練習後、コーチと少し話しましたが、


「言語を覚えようという意思をすごく感じる」

と、パフォーマンス以外でも好印象だったよう。



今週いっぱいの参加となるが、コーチ陣に良い印象を残してくれることを期待したい。


そしてそんな彼の頑張りが、福島で今もなお苦しむ人たちに届くと嬉しいです。



「もう福島のアカデミーには戻れないかもしれない。


でも今までお世話になった福島が大変なときだからこそ、僕も頑張って、みんなに勇気を与えたい」



と強い気持ちを持っているクリス。


オレも彼にとって少しでもいい時間になるよう、最大限のサポートをしていくつもりです。


皆さんも応援してあげてくださいね。


彼もまた、立派な“頑張り人”です。



「頑張るときはいつも今」


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