マグノリアの庭 (白もくれんのおはなし)
昔、わたしの家の庭には白もくれんという樹齢40年くらいの大きな木がありました。
わたしよりこの木はかなり先輩で、わたしや家族の成長、年行事、時代の変化を見守ってくれていました。
この白もくれんの木の下では愛犬が走り回って遊んだり、
家族とブランチやBBQ、夏になるとプールを出して水遊びを楽しみました。
初夏には大きなうちわのような緑の葉を身に着け、
春になると白い花を咲かせ
気品あふれる香りがわたしの部屋まで届きました。
春を家族に知らせる存在でした。
しかし
ようやく待ちに待ったある春。
冬を越しふっくらとした繭のようなつぼみをつけ、大きな白い花をつける時期に
この白もくれんを失うことになりました。
街を歩くと街路樹に若い白もくれんが並んでいたり、
公園でのびのびと生きる白もくれんの光景を目にすることがあります。
そんな光景を見ると
春の明るい陽射しとともに
マグノリアの庭での数々の思い出がかけめぐり
真っ白で清潔感あるあの香りが今でもわたしの中を漂うのです。。。。
gemma.o