たしかに聞いたわよ――?

とんでもないものが
できちゃってたらどうしよう――

って蛍姉様が言ってたのは――。

でもまさかお洋服じゃなくて――

お夕飯やお弁当が
とんでもないものに
なってるなんて、

思わないじゃない!!!?

何よ!

ビーフシチューの仕上げに
さり気なくかかってるはずの
生クリームがホイップされてて――

しかも甘いし!

私のお弁当の包みなのに
中は観月ちゃんの
漆塗りの渋いお弁当箱が
入ってるし!

服のことが気になって
他がここまで上の空に
なってるとは思わなかったもん!!

いっしょにお料理してた
春風姉様は何やってたわけ――?

そりゃ――

お弁当については
重さやみょうにふにゃふにゃしてる
包みを見て気付かなかった
私もどうかしてたけど――。

前日のあの夕飯を目の当たりに
していながら――ね。

こうなったら自己防衛策を取って
カップラーメンを買い込みたいところだけど、

この間の台風で被害を受けた路線の
復興募金とかが始まるかもしれないから
おこづかいは残しておきたいし――。

こうなったら――

蛍姉様には
さっさと洋服を仕上げて
もらいましょ!

思いつく限り――
ありったけの衣装の写真を見せて
キッカケを作ってあげるのよ。

何かいいヒントになるかもしれないし。

私はいろんな鉄道会社の
いろんな時代の制服の
写真をかき集めるわ!

あなたは何か
見せられるもの――ある?

雑誌でもいいわよ。

――ホタ姉様がみんなに
お手製の洋服を着せたときの
写真アルバム?

ホタ姉様のお手製じゃ
意味ないじゃない――。

他になにか――。

――待って。

なんでそれを
あなたが持ってるの――?

もしかして私も写ってる?

ウソッ!

撮られた覚えなんて全然――。

ぼ、没収よ、
そんなの!!

カメラと合わせて
没収するんだからっ!

猫耳とかハロウィン衣装とか――

そんなのが残ってるなんて、

私は絶対に死ぬもん!

-あとがき-
べびプリ日記風SS
常にラーメンの在庫があるわけではないようで。