うだるような暑さの中、

涼やかな水音とともに
流れゆく白い麺――

それはさながら
惑星の引力に絡め取られた
流れ星のように箸にすくわれ
碗へと落ちる。

わずかに若々しい竹の
爽やかな香りをただよわせながら
かすかな存在感をのどに残して
我が身へと落ちる――。

――いいものだな。

流しそうめん――。

昼に出来上がるはずの樋が
遅々として形を見せなかったり、

水を流し始めて早々
青空が池の亀や綿雪のフェレットを
流そうとした時は
どうなることかと思ったが――、

ああ――

待ったかいがあったというものだ。

むしろ水道の水がいい具合に
冷めた時間帯になったからこそ、

ということもあるが――

竹の樋に流れ
外で食べるというだけで
ただのそうめんが
ここまで美味しくなるとはなv

これも――

竹の割り方から
固定のためのヒモの結び方、

樋の組み方まで
部屋の中からオマエに
竹を割ったような明確で
的確な指示を出した私のおかげ、

ということだろうか――。

フフフ――。

今日一日でこれを
解体してしまうのも惜しいし、

明日も何か流すのはどうだろう――。

冷やすと美味しくなって
かつ流れやすいものなら
麺に限らず流れそうだから――

小さく切った水ようかんなど
どうだろうか――。

きっと冷たくて美味しいぞv

いっそ凝ったことをせず
ところてんもいいかもしれない。

おまえは酢醤油派だったか――。

それとも甘い方が好きだったろうか?

どうせなら両方食べるといい。

どちらのよさもわかり
新たな発見があるかもしれないしなv

登校の準備も
そろそろ進める時期だが――

なに、

多少遊んでいたところで
どうにかなるだろう――。

なにせ夕凪の宿題の内
一番の大物――

自由研究もしくは自由工作を、

竹の樋作成を夕凪に手伝わせ
その様子を写真に収めることで、

鮮やかにでっちあげた
オマエの手腕があれば――

日曜と月曜のニ日間で
わが家の年中行事も、

超新星爆発の瞬間のように
一瞬でカタが付くだろうからなv

フフフフフッv

-あとがき-
べびプリ日記風SS
夜は張り切って台風対策をすすめる姉さんであった