夏の旅から戻り――

いっぱいあった洗濯物も
しわしわになった旅行かばんの
おかたしも全部終わって――、

ようやくいつものわが家が
戻ってきた気がするの!

兄じゃは疲れがとれたかえ?

わらわはもう
ばっちりゆえ――

さっそくおみやげの
おまんじゅうを手に、

裏山の社に
帰参の報告に参ろうかと
思っておったところなのじゃ!

兄じゃも共にどうじゃ?

その気になったら
昼餉ののち、

裏山の入り口に集合するのじゃv

いつものわが家といえば、

母上がさっそく日課のあいどる勧誘に
勤しんでおられたぞ!

相変わらずわらわ達の内から
あいどるでびゅーとやらを
狙っておられるようじゃの――。

旅の写真を見て
写真映えするものを
探しておったが――。

いいかげん立夏姉じゃあたりに
決まって落ち着いてほしいものじゃ。

しかし断れば平気――

というものでもないようで、

母上の策も
日に日に巧妙さを増しておる――。

昨夜も録画のきぐるみのトトロと共に
踊る青空を見て、

子供番組の仕事を取ってきたら
きぐるみで釣って
でびゅーさせられないかと
思案しておったご様子。

青空は逃れられないやも
しれんな――。

まあその後ぽにょを見て
夕餉は魚がいいと
無邪気に言う青空に、

複雑そうな顔をしていたから
どうころぶかわからぬが――。

この間はついに
わらわにも声をかけに
まいったのじゃが――、

丁重にお断り申し上げた。

あいどるといえば
いかな面妖な着物も着ることに
なろうが――

わらわはあの派手な――

襟元にひらひらがつき
裾がひらき
洋風の靴で出歩く
最近の浴衣は好かんのじゃ。

それに――

なにより海晴姉じゃのように
外出する時間が増えたら、

家を魑魅魍魎から
守ることができなくなるしのv

わらわのお勤めは
あいどるにあらず――

兄じゃとともに
わが家を守ることなのじゃv

それにわらわーー

兄じゃのオーラを
浴び続けんと、

早々に干上がってしまうゆえ――

わらわの居場所は常に
兄じゃのそば、なのじゃv

-あとがき-
べびプリ日記風SS
立夏ちゃんは学業成績がもう少し安定すれば……
ってママが言ってました。