あれは――

何だったんだ――。

何だかとんでもないことに
なってたから、

とっさに逃げちゃたけど――。

アイツの全部を見ちゃう――

そんな海晴姉の言葉が
耳に残って――

頭の中を反射し続ける。

こんなに落ち着かなくなるなら、

最後まで
見届ければ良かった――かな。

でも――

海晴姉がアイツに
あんなに迫って――、

押し倒して――

それから――

奪っちゃった――って。

い、一体なにを!!!?

私からは見えなかったけど、

キ、キ、キスでもしてたのかな――。

……

そんなの――

見届けられないよ――!

普段春風が
夢見がちに言ってるようなことを
実際に見せつけられるなんて――。

ああ――。

ちゃんとまっすぐ立っているはずなのに
足元が揺れてるみたいだ、

まるで窓辺で風に翻弄されてる
てるてる坊主になったみたいに――。

……

ダメだ――。

考えてもわからないや。

あれからアイツは、

何事もなかったみたいに
夕凪の宿題を手伝ってたから――

あれはきっとなんでもない、

家族の普通の
コミュニケーションなんだ――。

ちょっと勢いがついちゃただけで――。

霙姉だって時々
アイツに触って
遊んでるんだし――。

チビたちもよく
アイツに登ってるし――

きっと――そうなんだ。

でも――。

もし私が同じことをしたら――

アイツは――

私に全部
見せてくれる――?

私を――

受け入れて
くれるかな――。

-あとがき-
べびプリ日記風SS
昨夜続けてアップしてもよかったかもしれない……