ずっとガマンしていたさくらちゃんが
お兄ちゃんを前にして
ついに泣きだしちゃったみたいに、

お昼前からじんわりと
雨が降り始めました。

寒くても晴れの日が多い
冬の日のお昼休みは、

いっつもドッジボールや
バスケットボールや、

それからなわとびしている
星花ですけど――

今日はそれもなし。

床が滑りやすいから
教室おいかけっこもできなくって、

大人しくお友だちと
おしゃべりしていました。

でもそんな――

体を動かせなくて、

なんだか体のあちこちが
むずむずしちゃう日はなぜか――

我が心のご主君様のことばかり
考えてしまいます――。

お休み明けの月曜日で――

ちょっぴりお寝坊さんだった
お兄ちゃん様は、

海晴お姉ちゃんの天気予報を
見られたでしょうか、

とか――

ちゃんと傘をお持ちでしょうか、

とか――。

気になりだすと
そのことで頭がいっぱいになって――

今日お友だちと
何をおしゃべりしたか、

全然思い出せません。

もし傘をお忘れだったら
お兄ちゃんお迎え
じゃんけんがあるかも、

って思ったら――

帰りの会が終わってすぐ
教室を飛び出しちゃいました。

学校からお家までの道は、

とっても長く感じて――

でもすっごくわくわくして、

思わずジャンプキック
したくなるような――

冷たい雨なんてウソみたいに
ぽかぽかした気持ちで
いっぱいだったんですよv

もしかしたら――

曹操殿の元を辞して
劉備様のところへ
帰る最中の関羽様も、

そんなお気持ち
だったのかもしれませんねv

えへへ―――v

結局今日は――

お兄ちゃんお迎えじゃんけんは
ナシになっちゃったけど――

それだったら星花、

お家で一番に!

お兄ちゃんを
お迎えしたいですv

だって一秒でも早く、

お兄ちゃんの声を
お聞きしたいですからv

だから星花――

お帰りのタオルと
お風呂を準備して
お兄ちゃん様をお待ちしています!

お外で冷えたお体を
いっしょに温めましょうねv

ころんだりしないように、
お気をつけて帰ってきて下さいvv

-あとがき-
べびプリ日記風SS
キュウビの鳴き声のような咳が出る……