しばらくぶりの
悪天候のせいかしら?

ひどく頭が鈍くて、

ノートが買い置きすら
きれていたことにも
気づなかった――。

テストの後の立夏みたいな
雲を見ながら出かけたら、

あいにくの雨――。

傘は持ってきていたし
まださすほど強いわけじゃないけど、

でも――なんか腹立つわ……

こんなことなら
下僕に買いに行かせればよかった!

どうせ暇だろうし、

無為な休日を過ごす下僕アタマに、

有意義な時間の使い方を
提案してあげるんだったわ。

なんて。

思ってたら。

商店街からの帰り道で
下僕の声が聞こえた気がして――

振り返ったけど
どこにもいなかった――

――聞き間違い?

まさか!

私が下僕の声を
聞き間違えるわけないじゃない!

シャッターばかりだっていう
他のところと違って
そこそこ活気があって――

こんなあやしげな天気でも
それなりに混みあっている
商店街だから、

それで見つからなかっただけ。

そう思ったとおり――

すぐにまた声が聞こえて、

今度は――見つけた、

下僕の冴えないマヌケ顔v

でも――

声はかけない――。

だって――

霙姉様とよく買食いした
たい焼き屋さんにいるのを
見られるのがなんだか――
ヒドくマヌケに思えて――

それにチビたちみたいに
駆けよるのも
何だか癪だったから――

気づくわよね、
自分のご主人様に――。

帰り道はとうぜんいっしょだし――。

でもアタマとおんなじで
空っぽなお目めの
マヌケな下僕に――

優しいご主人様が
ヒントをあげる――。

梅雨のころあなたと選んだ――

今日みたいに鬱々とした曇り空に
逆らうみたいな空色の傘、

さしてあげるわ。

今日が雨でよかったわね?

だから早く
気づきなさい――。

誰にも気兼ねなく
ご主人様にご奉仕出来る――

絶好のチャンスなんだから――v

-あとがき-
べびプリ日記風SS
某曲に影響受けすぎた……