ちょっとひんやりするのを
ガマンして換気のために
開けた窓から来た――

小雨と本の間で
漂っている季節はずれの
綿毛みたいに、

今日の小雨は
ふわふわしています。

春風お姉ちゃんの
いない台所――

今日の夜の献立を
小雨が決めるだなんて!!

霙お姉ちゃんは、

どうしてそんな大役を
小雨に――。

いつもの春風お姉ちゃんと
蛍お姉ちゃんみたいに――

昨日の霙お姉ちゃんみたいに――

ちゃんとメニューを
考えられるかな。

昨日蛍お姉ちゃんと
霙お姉ちゃんが、

小雨や星花ちゃんにしてたみたいに――

ちゃんとやることを
お願いできるかな。

そんなことを考えると――
おなかの下あたりが
ひくひくして、

頭が――
お風邪の時みたいに
ぼーっとしてくるの。

それと――

メニューを考えようとすると
どうしても――

思い浮かぶのは
お兄ちゃんが
お好きなモノばかり。

小雨とおなじで
今日はなんだかふわふわしていた
お兄ちゃん――。

昨日は何だか遅くまで
廊下で話し声が聞こえていたような?

少しだけ眠そうに
たれたまゆ毛が疲れてるみたいで、

小雨のメニューで
お兄ちゃんが笑顔になって
もらえたらって――。

でもでも上手く作れなくて
がっかりさせちゃったら
やだな、とか――

栄養は偏らないかな、
ちびちゃんたちが
食べられるかな、

とも考えてしまって――

頭の中はぐるぐる。

なんだか、
回し車の中の
ハムスターみたいです。

いつもきゅんきゅん言ってるのに
食卓がお兄ちゃんの
好物ばかりにならない、

春風お姉ちゃんと
蛍お姉ちゃんは、

やっぱり――すごいです。

メニューが決まらないまま、
内容がぜんぜん頭に入ってこない
本のページをめくっていると、

突然にさっきの綿毛が
ふわりと舞い上がります――

いつの間にかそばに
来ていたお兄ちゃんが、

肩かけをかけてくれて
ふんわりとやさしい風が
起きたから――v

それと同時に――

濡れてちっちゃくなった綿毛みたいに
縮こまっていた小雨の気持ちも
ふんわりとふくらんで――

今日はやっぱり、

お兄ちゃんの好きなものを
作ろうって決めました。

だから――

今日のお夕飯は楽しみに
していて下さいね♪

春風お姉ちゃんには
ぜんぜんかなわないですけど、

大好きの気持ちを
いっぱいこめて――

お兄ちゃんに、
身も心もふんわりと
元気になってもらえるよう
ガンバりますv

-あとがき-
べびプリ日記風SS
昨日のを番外編にしそこねたorz