ざわざわと。

くるくると。

わらわのこの
ヘソのうちで
渦巻くものを感じる――

それは――

ものいわぬ命がもつ
やわらかな棘の残す――

むずがゆいような傷の痛み――。

じゃが――

夏闇の怪しい
モノノケたちのような
不快な気ではないのじゃ。

しからばこれは――

うむ、
どうやら以前に氷柱姉じゃが
かかったような
流行り病ではなく――。

キュウビのハライタが
我が身にもうつったのじゃろ。

キュウビのやつ
拾い食いでもしおったか。

あるいは彼岸花でも
飲み込んだかの。

あやつは時々
かわゆいもの、
楽しいもの、
好いておるものを

鼻や口でつつきながら
愛でているうちに――

うっかり飲み込んでしまうのじゃ!

おおかた川べりに
咲きはじめた彼岸花に
目を輝かせてじゃれついているうちに、

口にしてしまったのじゃろ。

兄じゃもかわいいかわいいと
キュウビにあまがみさせている間に

うっかり丸呑みされぬよう
気をつけるのじゃぞ?

くふふふふv

ああ、なに――

それで口にした程度なら
少し休めば元気になろう。

あるいは――

のう、兄じゃ。

わらわのお腹を
なでてたもれv

兄じゃのオーラは万病に利く。

キュウビからの
ハライタをわらわが感じたように、

兄じゃの心地よきオーラを
キュウビにも届るのじゃ!

……

ああ――

春の野原のように穏やかで
よき心地じゃv

なにやらこの身のうちに
お天道さまを宿したように温かいの!

すっかり腹のざわめきもやみ
あっという間に
治りそうなほどじゃぞv

しかしこの様はまるで――

くふふふv

兄じゃがお腹の
ややこをなでているようじゃのv

もしや兄じゃ――

愛のオーラで本当にわらわを、

孕まそうとしておるのか?

やあ、興奮じゃ――v

-あとがき-
べびプリ日記風SS
寒い……