どうした――

そんなに急いで?

水ようかん争奪戦でも
始まるのか?

そんな話は聞いていないぞ。

旅行の準備か?

まだまだ時間があるじゃないか。

いつもぎりぎりになる
夕凪や立夏の荷造りを
手伝おうというなら、

仕方あるまいが――。

それとも――

夏休みが早くも
折り返しを迎えつつあることに
焦り打ち震えているのか?

ああ――

オマエも全部すっかり完璧に――

宿題を放置しているのだな。

だが気にすることはない――

その白いページは
常に変化を続ける宇宙に対し、

変わらないものがここにあるという
ささやかな抵抗の証――

それがわずか40日という
星の瞬きよりも短い
期間であったとしても、

その事象は確かに静止していた。

休み明けの学校で
その白いページを広げた瞬間、

オマエは宇宙より偉大な――

なんだ、違うのか。

かくれんぼの最中だと――?

この暑い中わざわざ
狭い場所に侵入して
身を丸めていようなどと、

酔狂と言う外ないな――。

まあせいぜい健闘することだ。

おやつの時間まで
隠れおおせれば、

その分私がもらって――

おっと――
追手が近づいているようだ。

逃げて隠れ場所を探す暇は
ないかもしれんな――?

ならば隠れ場所を提供してやろう。

クッションをソファーの
裏に追いやって、

大人しくソファーに
寝転がれ。

そう――
かくれんぼの間、
オマエは私のクッション代わりだv

なに――

もともと抱き枕代わりにできる
いびつな形のクッションだ。

タオルケットをかけておけば
形状でバレることはないさ。

ほら――

どうした?

迷ってる時間はないぞ――

フフv

……

どうした?

声を出すと見つかるぞ?

よもや重い、
などと言うつもりはあるまいな。

それとも――

私の何かが当たって困るとでも?

気にするな。

私達はきょうだいだ。

毎日繰り返される
このささやかな
家族の営みの中に――

これくらいのスキンシップが
あっても当たり前だ。

それに私は冷え性だから――
そこも意外と快適だろv

フフフ――

-あとがき-
べびプリ日記風SS
ホタにとっての決戦が始まる……!