中途半端な天気が
続いていたのが――

ここ数日は
ようやく日差しが
強くなってきたわね。

気温が高くはないから
まだなんとかなるけど、

私の黒めの制服だと
気分的に暑く感じるわ。

普段は誇らしいこの制服も、

この時期ばかりはちょっとだけ
立夏の白いセーラーに
浮気したくなっちゃう。

……

まったく――

気の利かない下僕ね。

こういうときは
さっ、っと――

ご主人様に日傘を
開いて差し向けるくらいのこと、

してくれなくっちゃ!

まだまだその下僕頭には
教えてあげなきゃいけないことが
いっぱいあるみたいねv

珍しく放課後一人で
放牧されてる下僕を見て――

保護してあげなくっちゃって、

急いで追いかけてきた
甲斐があったわ。

わざわざ指導してくれる
優しいご主人様の私が
そばにいる幸運に――

感謝することねv

で、問題の日差しだけど――

日傘がわりに
折りたたみ傘くらい
持ち歩いてないの?

――じゃあせめて、

うちわや扇子で
ご主人様に涼を提供したりは――

持ってないか――

ああ――
重ね重ねなんの役にも立たない
残念な下僕だわ――

そんな下僕しか
いないなんて、

どれだけ不幸なのかしら、

私って――。

まあいいわ、
いくらまぬけなデクノボウだって――

日かげくらいは
提供出来るでしょ?

家に帰るまで、
ずっとご主人様を
太陽から守ること!

いいわね?

フフンv

あ。

こら!

チョロチョロしないで!

日に当たっちゃうじゃない!

生意気にも
ご主人様に逆らおうって
言うの?

そんな使えない下僕、
お払い箱にしちゃうわよ!

こーらー!
動くな!!

もうこうなったら――

ぎゅううっとハグし~ちゃう♪

これで下僕を盾に――

常に日かげに
回るように動けば
万事解決ね――

下僕程度のアタマじゃ
私には逆らえないって――

よーくわかったでしょ?

クスクスクスv

-あとがき-
べびプリ日記風SS
最近は男性用日傘もあるようで。