私たちの暮らす世界は――
疎と密の繰り返しで出来ています。

一つの物質を拡大して観察していくと
やがて物体を構成する分子が
密集している様を見ることが出来ますが――

そこから更に拡大を続けると、

まるで観察していたものなど
なかったかのような空間に放り出されます。

そしてその後、
先程の分子の時と同じように
分子を構成する原子の満ちた空間に
行き当たるのです。

それとは反対にある物体から
遠ざかりつつ観察を続けた場合も同様に、

物質に満ちた地球を見、
星の並ぶ恒星系を見た後は――

恒星系すら飲み込む
空っぽの広大な宇宙を見、

やがて恒星系からなる
雲のような銀河を目にすることとなります。

このように宇宙は
物質に満ちた密の空間と――

何もない疎の空間を――

繰り返す構造となっています。

大きいものであっても
小さいものであっても
似たような構造をとるこの宇宙は――

何と興味深いのでしょう。

何故大が小を、
小が大を真似たように類似の構造を
とってしまうのか。

何故空間を均等に埋めてしまわないのか。

様々な疑問が銀河のように渦を巻き――
私の答えを求める欲求を刺激しますv

もっとも――
このような疑問を抱くのは
この家では私だけで――

他の姉妹たちは来週末からのカレンダーの
疎密の方に興味があるようです。

日常の束縛から解放された
希望に満ちた休日と――

その希望を分割し
大いに阻む空疎な平日。

霙姉の言葉です。

少しでも勉強時間をとりたい
氷柱姉にとっては逆かもしれませんが、
いずれにせよその分断により――

この連休は大きな旅行には
行けそうもありません。

あらゆる遠出がそのまま
未知への冒険となる青空などは
非常に落胆していました。

立夏姉などは間の2日を休んで
旅行に行こうと提案しましたが、

当然のごとく却下。

とはいえこの休み全てを怠惰に
過ごすということも考えづらいので――

何だかんだでいつもにように騒がしい
休みにはなることでしょう。

フフフ――。

昨晩キミと濃厚接触を
行った夕凪姉は、

幸いにしてインフルエンザでは
ありませんでしたから――

夕凪姉に移されたキミが隔離されるという
空疎な連休を味わう心配も無さそうです。

ならば私としては――
どのような連休になろうと
特に異存はありません。

キミが常に
私の観察範囲にいる休日は
空疎な時間などではなく――

いつも私にとって満ち足りた時間です。

満たされすぎて――

常に熱暴走の危険を
感じてしまうほどに――v

フフv

-あとがき-
べびプリ日記風SS
昨日(4/20)のSS「くっちゅんv」の続き。

家族は連休をどう過ごすのでしょうか?