――はぁ。

まったく、
やってられないわ。

なんだってこう
次から次に――

ああ――

イライラする。

……

――何よ?

じっとこっちを見て――

何か用?

気分――?

ええ、おかげ様で
最悪よ。

ただでさえ
頭痛で思考が鈍ってるのに、

そんなまぬけづらを
向けられたら、

不快にもなるわ――。

風邪のせい?

ってそんなの
冗談じゃないわ!

そんなことになったら
またユキに会えないじゃない!

先週はユキに早く会いたくて、

出来るだけ早く
病気を治そうとしたのに――

下僕がノコノコと尋ねてきて
しょっちゅう休息の邪魔を
してくれたおかげで――

一週間も治らなかったんだから、

今度は栄養も室温の管理も
十二分にしてるわ!!

フン。

頭痛は――

1週間分の遅れを取り戻すのに
少しだけ遅くまで勉強してて
あまり寝てないから、

そのせいよ。

断じて!
風邪のせいじゃないんだから――。

はっ?

もしかして――

霙姉様みたいに――

病気だから仕方ない、
とでも言う気?

遅れは一刻も早く
取り戻さないとイケナイの。

それにテストも近いんだから
のんきに寝てられるわけ――

ないじゃないっ!!

ふんっっ!

さすがは夕凪や立夏の
“オニーチャン”ね!

やらない口実を見つけること
ばっかり上手なんだから!!

だいたい
下僕が頼んでもいないのに
何度も部屋に来たせいで、

こんなことになってるのよ!?

あなたがいた無駄な時間に
ぐっすりと寝ていられたら、

きっと2日は早く回復してたわね!

まったく――
ご主人様がいなくて
命令なしには何もできない
下僕脳だからって、

何がご主人様のためになるか
少しは考えればいいのに!

いいわ、
そんなにご主人様の
役に立ちたいなら――

こっちに来て、
肩を貸しなさい。

夕飯まで――寝るから。

仮眠をとる時
横になって寝ちゃうと――

夜の眠りが浅くなるのよね。

でも寄りかかるには
ウチにあるどのイスも
背もたれの高さが中途半端だから――

その点下僕の肩なら
高さは丁度いいし――

ボードや棚と違って
寄りかかっても壊れないし――

暖かいし――

どうせ何を命令してたって――

ろくに出来やしない下僕でも
じっと座ってるだけなら
出来るでしょ――

……

ふわぁ――

ん、もう限界――

ほら――

そこに突立ってないで、

早くこっちに、来て――

-あとがき-

べびプリ日記風SS
生真面目なこの子ならやりそうです