おとぎ話というものは、
世相に応じて形を変えます――
親切な翁が
試練を乗り越え
雀のお宿で富を得る――
こんな話が
いつの間にか翁の謙虚という美徳によって
富を得たかのように変化し、
教訓を詰め込みすぎて
何だかよく分からない話になったように、
私には思えます。
実際虹子も
つづらの大小とその中身に
興味が行ってしまっています――
思うに――
つづらの中身は
大小どちらを開けても
変わらなかったのではないでしょうか?
なぜなら雀は
助けてくれた翁に脅威を与える理由はなく、
その逆もしかりです。
そう考えると――
キミを使ってお化けを
見てみたいなどと
甘い考えの虹子には
小さなつづらでも
お望みどおりのものに会えることでしょう――
フフ――
冗談です♪
虹子の無邪気な願いに
雀もムキになったりはしないでしょうし――
ようするに、
このつづらは一見
中身の分からない物でありながら、
開ける人間によってその中身は決まっている、
いえ変動している、のです。
つづらとは、
雀の好意あるいは厚意そのもので、
もし主人公が翁ではなく、
若い男性だったら、
雀自身が絶世の美女として
嫁入りしていたかもしれません♪
仮定の上に仮定を重ねるというのは
あまり好ましくありませんが、
例えばキミが翁だったら、
たどり着いた雀のお宿で
どのつづらを選ぶかは興味があります――
キミの前には最低でも20個近い
つづらがありますが、
わざわざ選ばなくても
それはそれで問題ありません――
むしろそれが一番平和で、自然です。
それでもあえて、
選ぶとするならキミは――
訳が分からない、
という顔をしていますね?
ならばヒントをあげましょう――
他のつづらの中身は知りませんが――
12番目のつづらは
持てるコウイ全てが詰まっているでしょう。
一番の、おすすめですv
フフ――vvv
-あとがき-
べびプリ日記風SS
おとぎ話について解説をお願いしたら、
延々としゃべりだしてしまいまとめようとしたら、今度は言葉足らずであらぬことをしゃべりだしてくれました……