小雨が見たこともないくらい――
落ち込んじゃったな。


こういう時、
自分のガサツさが嫌になるよ。


あはは――
……はぁ――


毎年桜の季節になると
観月が楽しそうに言うんだ――


満開の桜の木の下には
死体が埋まっているのじゃー
って――


いつも以上に観月が生き生きしてるし、
女の子って、何だかんだで怖い話好きって言うじゃないか?


だから毎年誰かにこの話を試してみたくて――
でも気安くこういう話をするタイミングって
なかなかなくてさ――


今年も桜は散ってムリかなって思ってたんだけど
昨日小雨が桜の話をしてたから、
ついヤッちゃったんだ――


観月の顔まねまでしてさ。


本当に馬鹿だ、ワタシ!
小雨が楽しみにしてた桜だったのに……


そんなわけでオマエ!
あ、その――


一緒に来てくれないか?
もちろん、百日紅の間だよ、
小雨に謝らないと――


それでな、オマエ、
小雨が好きなモノって知ってるか?


物で釣るとか、そういうんじゃないんだ。
ヒドイしちゃったし、
少しでも、こう、さ?


わかるだろ?


小雨っていつも控えめだし、
春風たちの料理もいつも嬉しそうに食べるから
よくわからないんだよ――


オマエなら知ってるかなって。


え?
そうか、そうだよな?


こういう時は自分で考えなきゃ駄目だよな♪


大丈夫だ、
ワタシだって小雨の姉なんだ。
ちゃんと小雨の好きなもの思い出すよ♪


――
―――


うん、そうすると、やっぱりあれか!
いつか大量に買ってきた、柏餅のみそあん♪


霙姉のあんこ好きを知りながら、
それでも間違えて買ってきてしまうほど、
好きだったんだな♪


よし待ってろ、小雨!
柏餅には早いけど、
必ず何かみそあんの入ってるものを――
買ってくるからな♪


そうと決まれば――
すぐ出発だ!


-あとがき-

べびプリ日記風SS
昨日のSS「遅れてきた花」の続き。
ドジっ子で思い込み激しいイメージ先行させたらこんなことに……