劇団大樹 月と語りとアンサンブル 「カスタネットの月」
皆様のお陰を持ちまして、無事に千秋楽を努め終えました。
かなり挑戦的なアプローチを試みましたが、
解かる人には、解かるから、演劇は面白い!
これまではかなり表層的なアプローチだったかも知れない…
一人の人物を、多層に、演じ分けることによって、
こんなにも作品に内包された感情が顕になるのですね。
こんな素敵なご感想を頂きました。
この世には、宝石箱みたいな舞台がある。
はじまった瞬間に手のひらに金平糖を乗せられたような甘やかで、
少しチクチクする感覚。
物語は1人の女性の何年か。
その心の内を、
彼女の視点から記憶を交えて綴る日記のようなイメージ。
一人称の物語に僅かに関わる人と、
心の内を呟く陰、写して揺らぐ月の精。
ひとりの心の揺れを丁寧に描きだした脚本を、
一度こまかくわけて構築した台本、心を幾重にも重ねた演出。
複雑な不協和音が、かえってわかりやすい音としてはいってくる感じ。
爪弾かれる二十五絃筝は、空間を静かに埋める光の波。
色とりどりの箱からあふれて散りばめられる、月のオブジェ。
この舞台の席が少しでも空いてたことがとてもとてももったいない。
極上の月の光のかけらを持ち帰れたのに。
こういう人がいるから、演劇はやめられません。
伝わった~! って(笑)
他にもたくさんのご感想メールが届いています。
面白い感想、想像を超えた感想。
観る人によって、作品の顔が違うのが本当に面白い。
今回は、作家である、み群杏子さんにもご出演頂きました。
み群さんの朗読が上手くてびっくりした。
み群さんを見ている、僕の顔が幸せそうだった(笑)
など、そんなアンケートもありました。
後、僕の演じた 「影」 が、エヴァの綾波レイみたいだった、とか(笑)
でも、こんなに色んな思いを生み出した公演も、
終わってみれば、過ぎ去った風… もう何も残らない。
その儚さが、また、演劇の魅力なんだと思います。
本当にありがとうございました!
お客様に感謝、出演者の皆様に感謝、
全ての関係者に感謝。
気持ちばっかりで、なんの才能もない僕を、
サポートし、フォローしてくれる人がたくさんいる。
こんな嬉しいことはありません。
さぁ、来年は本公演です。
もう、動きだしていますよ!