イスラムと聴くと、怖いイメージが脳裏をかすめますが、
ボクの感想は、「何故か懐かしさを感じる国」でした。
日に5回、随所で聴かれるコーランの声。
思わず平伏したくなるほど、神々しい響きでした。
日本なら、神主様の祝詞か僧侶の声明と言ったところでしょう。
また、砂漠の国を連想して、飲み水の心配もしました。
確かに地下200mから汲み上げる飲料水は貴重なのですが、
コンビニで買っても、2ℓ 30円、まとめて買うと20円です。
これも、信仰心と言うか、
「人間に必要不可欠なモノで儲けてはいけない」
アラーの教えらしいのです。
昔の日本でも、
「お天道様が観ていらっしゃる」
そんな台詞が当たり前でしたよね。
更に、
「石油資源が羨ましい」と言ったら、
「日本こそ、何でもあるじゃないか?
水も緑も豊かで、人間が生きるのに必要な物はすべて有るはずだ。」
返す言葉が見つかりませんでした。
我々、日本が発展と引き換えに失くしたモノが、いっぱい在る国、
それがオマーンでした。
現在のオマーンは、40年前まで、鎖国政策だったのを、
現カブース殿下が、改革路線に踏み切ったそうです。
「急がず、弛まず、踏み外さないよう、ゆっくりと」
一般民も
「発展はしたいが、ドバイのようにはなりたくない」
と言っていました。
出来れば来年も訪問したいと思っています。
今度は、陶芸家や茶道仲間と一緒に出掛け、
オマーンの工芸家たちとの交流を果たす為の拠点を造りたい。
今回、撮影途中だった、ドキュメント『アラブのさくら』も
全編を完成させたいものです。
僭越ながら、日本人として最初に釜を懸けさせて頂いた者として、
文化交流の一端を担えたら望外の幸せだと思っています。
最後に、今回のミッションを黙認して下さった、
武者小路千家の我が師、小林先生や、
久枝大使を始めとする日本大使館の関係者の方々に感謝の意を表します。
有難う御座いました。
中高年の茶錬事魂・アラブのさくら編 完
次回からは、『中高年の茶錬事魂・本編』に戻ります。
引き続き、お付き合いくだされば望外の幸せで御座います。