この前アメリカ南部の気候について書いた時に、


書こうと思ったけど面倒くさかったのでやめた、


ハリケーンについて、今日は書きたいと思います。




南部に来て最初の秋、

超大型のハリケーンIvanが

私の住んでいる町を直撃すると予報され、

大学は三日間閉鎖を宣言、

私は「えー、なになに、閉校とか避難とか、

ハリケーンって台風みたいなもんじゃないの?」

と思いながら知人の家に避難しました。



あれから2年。

今では、ハリケーンというのは


日本の台風みたいなもの、と認識しています。

台風との違いが分からなかったので、今回調べてみましたが、

発生する場所が違うということと、

台風は小さいものでも台風と呼ぶけど

ハリケーンは大型の台風くらいの大きさにならないと


ハリケーンとは呼ばないということが分かりました。

つまり物体としては(?)同じということでしょう。



難しいことはいいとして、

日本と同じように、秋になると、南部の人は

「今年もハリケーンの季節だな。」と思います。

ハリケーンはだいたい南のフロリダの方で起こったり消えたりしていて、

フロリダは忙しそうですが、

そのうちのいくつかだけが南部の他の州に上がってきます。

台風が多くは沖縄で進路を変えたり消えたりするので(?)

沖縄は台風の被害に多く見舞われるけど

本州に届くのはそのうちのいくつか、と

中学で習ったような習わないような気がしますが、

それと似ている気がします(もし合っていれば)。



ハリケーンが近づいてくると、空がだんだん黒い雲で覆われて、

それから暴風雨になります。

テレビをつけると日本の台風の中継みたいなものを

アメリカのテレビ局でもやっているのですが、

日本のものみたいに、レポーターが


外で戦ってはいないような気がします。

私が見たのは全部、外の景色を


車の中か屋内から撮ったような映像でした。

この時、信号機がよく映されます。

アメリカの信号機は、日本の電柱のようなものと違って、

横に渡した電線のようなものに

たてにしてぶら下げてあるだけなので、

暴風雨になるとそれが今にも落ちそうに


ぶらんぶらんと揺れるからです。



それから、なんだか雨の音がすごいな、と思うと

雹(ひょう)が降っていたりします。



この間にしばしば停電になります。

日本にいた時は、台風になってもめったに停電しないし、

してもほんの一瞬だったような気がしますが、

こちらに来てからは毎年ハリケーンが来ると(たまにそうでなくても)

停電を覚悟します。

しかも一度停電すると復旧が遅くて、


2時間から半日くらいかかります。

田舎なので北部と違って(南部人のイメージ)

そのあたりの整備があまりされていないのです。

留学して最初は、どこの家にも、友達のアパートですら、

部屋のそこここに使いかけのろうそくがあって、

「南部人って風流なんだな」と思っていましたが、

すぐに実用品だと気がつきました。



ここまででも避難できればした方がいいですが、

できなかった場合でも、ウーという


トルネード・サイレン(竜巻警報)が鳴ったら

必ず安全な場所に避難します。

学校や職場では、建物の一階や地下に、シェルターと呼ばれる、

窓がなく、頑丈な厚いコンクリートで囲まれたスペースがあるので

そこに避難します。

普通は特別な部屋があるのではなく、廊下をシェルターにしています。

家の中なら、とりあえず風圧で窓が割れても

怪我をしない場所に避難します。



このトルネード(竜巻)とハリケーンの関係がよく分からないのですが、

恐らくハリケーンに伴って竜巻が発生するのだと思います。



竜巻警報は、鳴って避難しても結局いつも平和で何もないし、

たまによく晴れている昼間にも鳴ったりしているので、

「本当に危険な時に鳴らしてるの?」と

私にとっては狼少年のようになっていましたが、

避難していつも平和に感じるのは、

シェルターにいるとほとんどの場合外の音が聞こえないためだし、

それからたまに昼間に鳴っているのはサイレンのテストだと

最近になってようやく分かりました。

(いつも水曜日の午後3時に鳴る)



静かだと平和のような感じがしますが、

竜巻(ハリケーン?)が来ている時に一番恐いのは、

外が静かになった時です。

暴風雨は音は恐いですが、まだ竜巻(あるいはハリケーン)が

直撃していない、という証拠でもあります。

秋にハリケーンが来て、学校で避難している時も、

しばらく静かになって、その後警報が解除されたので、

「今回は平和だったな」と思ったら、後で、

すぐ近くの建物の屋根が吹き飛ばされていたことを知りました。

静かになった時に竜巻が来ていたのです。

背筋が凍る思いがしました。



竜巻と言えば、オズの魔法使いの絵などでも、

細長い渦が地面から空へ上がっているようなイメージですが、

やはりその通りで、比較的狭い範囲を通っていくようです。

今日ハリケーンについて書こうと思ったのは、

実はつい先日私の住んでいるところを

やや季節外れのハリケーンが通過したからなのですが、

その時のニュースでも、

「現在XX通りとYY通りの交差点を通過中です」という感じで伝えられていて、

すごいピンポイントだなーというのにもびっくりしましたが、

それがうちからすぐそこの交差点だったというのにもびっくりしました。

(うちも近隣も大きな被害はありませんでした。)



南部は概して温暖で気候に恵まれていますが、

ニューオーリンズのカトリーナのように、

ハリケーンや竜巻が、街をほぼ壊滅状態にしてしまうことも多く、

ハリケーンの季節だけは、毎年心配です。