昨日、ある患者様から1年ちょっと振りでお電話をいただきました。
出産後腰痛になられた娘さんを診てもらえないか、ということでしたが、当院は水曜定休で、しかも出掛ける直前だったために大変申し訳ないながら、お断りせざるを得ませんでした。
出掛ける道すがら、お断りしてしまったことを後悔しましたが、とにかく何らかの方法で娘さんが楽になってくれていれば、と願うばかりです。
この方との思い出を語り始めれば、おそらく4つか5つ分の記事になってしまうと思いますが、一番私にとって重要なのは、彼が当院に通うのをやめられたいきさつです。
ある日、留守電に異様に暗い声で次回の予約をキャンセルしたい旨の伝言が入っていました。
数か月間、当院に熱心に通われ、こちらの話への理解力も非常に高く、教えたことをきちっと実行し、結果を報告してくれるので、私としても、お会いできるのが楽しみな方でした。
ところが、電話は何度か折り返してみても、電話は繋がらず…。
整体に通うかどうかを最終的に決めるのは患者様ですし、こういうことはあって当然のことと覚悟しなければならないことなのですが、出来れば理由をうかがった上で、「お元気で」と言いたかった。
それから、たしか3～4週間後、不意にその方から着信が入りました。
この時は電話に出られたので、検査で直腸にガンが発見され手術を受けたこと、人工肛門になったため、うつ伏せになれないので、腰痛は何とかしたいけど整体にはもう通えない、との説明をしてくれました。
元々の知り合いならいざ知らず、数か月間通っただけの整体院に、こんな丁寧な電話を下さったことがただ嬉しかった。
私だったら、自分の心や生活が激しく揺さぶられている真っ最中に、そんな電話をするだろうか？
多分、しないと思う。
次の予約を入れなければ良いだけだし…。
電話を下さったことがただ嬉しく、何を話したのかは正確に覚えていないのですが、うつ伏せにならなくても腰痛に使える技術もあるということ、施術とは関係なしに私がお役にたてることがあれば、いつでもご相談に乗りますということを言ったような気がします。
開業一年目に、こういう患者様で巡り合えたことは本当に幸運なことでした。
本当にこの方には大いに鍛えていただいたと思います。
そしてそれ以上に重たい宿題も授けてくれたのでした…。
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