保護児童と児童性虐待者(チャイルド・マレスター) | はばたけ! 養護施設出身者

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養護施設で虐待を受けて育った者が、その後、社会で生きて行くために歩んだ記録

昨日のメンテで掲載できなかった記事になります。
この記事は、新しい読者の方にも、どうしても考えて欲しくて新たな記事として起こしています。
私がなぜ
「里親の審査をオープンにして欲しい」
と訴えているのか。前回の
「里親審査会と責任の所在」
と合わせて、考えて頂ければ幸いです。


世の中には
児童性虐待者(チャイルド・マレスター)」
と言われる、本当に卑劣な大人が存在しています。
皆さんには
小児性愛者
という言葉の方が馴染みが深いのかも知れませんが、小児性愛者と言われる方には必ずしも
「子どもにみだらな事をするわけではない」
ため、今回は明確に
犯罪行為に及ぶ者
として、上記の言葉を使用したいと思います。
参考までに、児童性虐待者が小児性愛者である確率は3割程度のようですので、分けた方が良いと判断しました。
これは警察官と言われるような方や、教師と言われるような方。
もちろん児童養護施設の職員にもいますし、牧師と言われるような聖職者にも、そのような者が存在しているのは、皆さんもご存じの事と思います。


ただ養育里親の場合、上記のような方と大きく異なる点は
1.公費を受け取りながら、そのような犯罪行為に及ぶ
2.密室の為、犯罪が公になり難い
3.子どもがそこから逃げることは極めて困難である

こういった部分が、より悪質と私は感じています。


実は、里親の方のこういった犯罪行為が公になったのは、1999年の7月になります。ではそれまでは
「なぜ公にならなかったのか」
それは
「犯罪の立証が極めて困難なため」
でした。つまりいくらそういった事を公に訴えても
「里子の子は、大人の気を引きたくて嘘をついている」
とか、例え身ごもったとして
「男遊びがひどくて」
と、里子の子どもが悪いような言い方をされていたそうです。


では、この犯罪は何故里親の犯行と分かったのか。それは
DNA鑑定
という当時としては最新の鑑定方法により、少女と里親との関係が立証されたからになります。
この里親は10年以上里親を続けており、この少女の妊娠が発覚した時も
「この少女を含めて複数人の子ども」
を養育していました。
里親という立場を利用して
少女に性的関係を強要し妊娠させていたのです
しかし、最終的にこの事件は、
「里親の自殺」
という事で、これ以上の追及ができないまま、不本意な幕引きを迎えています。


それより半年ほど遡る事になりますが、1998年には大阪の
元里親連合会理事長
が、中学2年の少女を買春したとして逮捕されています。


こういった者が里親として長年に渡り、
「子どもを密室の中で養育する」
里親と言うだけで、世間の大多数の大人が無条件に
「善意の方という先入観をもってしまう現状」
これを改める必要性を知ってほしくて、声を上げているのです。


その後、2008年、2009年にはNHKで
「里親家庭で育てられレイプされた里子」
の事を紹介した番組が放送されたようです。

また近年でも、先日も紹介した里子の女の子の直腸を引き裂いた里親は、数か月に渡り
継続的に下半身に対して虐待行為
に及んでいます。

更には衆議院議員 徳田毅氏によると
里子の子に覚せい剤を使い、売春行為をさせていた
という里親が逮捕された事が紹介されています。


現状、こういった大人が
「里親制度の元で里親を行う危険性」
これを置き去りにしたまま、
「里親制度を推進しようとしている」
この事を問題視しているのです。
日本よりも古くから里親制度を推進してきた国では
「どんなに厳重にチェックを行っても、こういった里親は排除できない」
こういった結論に達しています。
しかし日本の場合、こういった事実はあまり広く知られてはいません。

マロンさんたち元里子の方も、
「里親家庭でのこのような実体験」
これを綴っているのですが、
それに対し、

「里親の方がどのような反応を示したのか」
一部の里親の方は、確かに問題意識を持っていただきました。
しかし、大多数の里親の方は
「本当の事かどうか怪しい」
「いつの時代の話かわからない」
「そんな昔の話をされても」

こういった反応でした。

全養協の会見にしてもそうですが、彼ら大人は
「こういった臭いものには蓋」
といった形で、問題を処理しているように感じるのです。それが
私たちをどれだけ傷つける行為か
それを分かっていない大人が里親?


全養協の会見にしても、過去に施設で虐待を受けた者は
「激しい怒り」
を覚えたはずです。
立場も違えば性別も違う私ですが、それでもやはり
「これらの発言に対し激しい怒り」
を覚えます。


皆さんには分からない感情かも知れません。
また私の拙い文章力では、これらの怒りを伝えきることができていないかも知れません。
それでも本当に多くの方、一人でも沢山の方に真剣に考えて欲しいと願い、新たな記事としておきます。


多くの方に、私たちの気持ちが伝わりますように・・・・。


たま


追記

事件の記事については、千代子さんのページ

里親から里子への児童虐待~搾取される子供たち

から引用させていただきました。

合わせてご覧いただければと思います。