里親制度と児童養護施設の比較 (金銭面) | はばたけ! 養護施設出身者

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養護施設で虐待を受けて育った者が、その後、社会で生きて行くために歩んだ記録

里親制度と、児童養護施設を比較する時に、よく取りざたされるのが、その

子供一人にかかる費用

です。


確かに里親制度と児童養護施設を比較した場合、子供一人にかかる費用と言うのは

児童養護施設に比べ、里親制度の方が安くてすみます

しかし、これはあくまでも、

納税者の視点

である事を忘れてはいけません。

そこで育つ私たち児童にとっては、

費用が高いか安いか

が問題ではなく、あくまでも

その場所が、安全で心休まる場所かどうか

が、問題なのです。


この辺りの問題については、マロンさんがご自分のブログ

里親家庭の利点の嘘 その2

で、詳しく語ってくれています。


また、ある里親の方は、

「児童養護施設では、子どもの数が一定数を下回ると赤字になるため、児童福祉ビジネスとして、子どもの数をキープしている」

といった事を、訴えています。

しかし、これもかなりの眉唾もので、未だかつて

児童養護施設の経営が赤字だから、施設を閉鎖した

というような話を聞いた事はありません。

また、一般の会社を思ってもらえば分かりますが、中で働く職員(社員)の方や、子どもにとっては

経営が赤字かどうか

という事はさほど重要な問題ではなく、むしろ重要なのは、それらのお金(税金)が、

本当に正しい目的の為に使用されているか

という事だけです。


この、

税金がちゃんと使われているか

については、確かに

児童養護施設で、不正経理が発覚した

と言う事が問題になった事例もあるのですが、ここで考えて欲しいのは逆に

不正経理が発覚するという事は、それだけ経理(お金の流れ)が、しっかりしている

という事です。


一方、里親制度の場合、現状では

養育費等が、正しい目的の為に使われているかどうか

これらの収支報告義務は一切ありません。つまり

里親制度の場合、そもそも経理といった概念がない

のです。

極端な話、それら里親に支給されたお金全てを仮に

パチンコなどの遊興費にあてても、誰も咎める者はない

という事です。


現在里親をやっている方は、

子どもの数をキープしないと児童養護施設は赤字になる

という事をもって

施設は、児童福祉をビジネスにしている

という事を訴えておられるのですが、私からすると

渡された費用が、何に使われたか全く分からない

こちらの方が、余程

ビジネスとして利用される危険性が高い

と、私は思います。


今回は、里親の方からみた

児童養護施設の、児童福祉のビジネスの危険性

と、里親制度の危険性を訴える者から見た

里親制度の、児童福祉ビジネスの危険性

を、両者を比較する際の材料として、提示してみました。


私個人は、

収支報告の義務が無い

この事の方が、

ビジネスとして利用される危険性は遥かに高い

と考え、この点からも

里親制度より、児童福祉施設の方が良いのでは

と判断する材料にしています。


後は皆さんが、双方の意見を比較しながら、どのように考えるか判断して欲しいと思います。

とりあえず、金銭面から比較した場合の、私が判断に使った情報を提供しておきます



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