宇都宮事件についての、里子の方のご意見 | はばたけ! 養護施設出身者

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養護施設で虐待を受けて育った者が、その後、社会で生きて行くために歩んだ記録

先日来取り上げている、

宇都宮での里親による里子の虐待死事件

について、里子として育った、グラジオラスさん。マロンさん。の両名が、それぞれの立場から、その考えを述べて下さってます。

興味のある方は、こちらをクリックして 、ご覧になってください。


里親団体が「真相究明の為」とした募金活動について、彼(女)たちのいう真相究明とは、単に

里子として預けられた子(順子ちゃん)が、どれだけ酷い問題児であったか

これが、里親団体の言う真相究明だったのではなかったのか。と、怒りにもにた疑問を呈してます。


私は、里親でもなければ、里子として育てられてもいませんが、同じような怒りは正直あります。

記事の中では、極力怒りを抑えるように表現する事にしていますが、それでも許せない気持ちにさせられます。

マロンさんの意見として、


本当に真相究明というのなら

里親の虐待が始まった時期、
虐待手段、虐待が行われていた期間、
里子の死因、検死解剖の結果等も、

究明すべき事件の真相なのでは


と、されていてこれについては、まさにその通りなのですが、そういう事については、弁護側からは一切出ていません。


私自身は、この控訴審は、

里親の立場を守るために、死んでしまった子どもと、児童相談所に責任転嫁をし、自分も被害者なんだ、さらに平たく言うなら、里親は悪くないんだ。

という事を、言いたかっただけのような気がします。

(個人での控訴ではなく、里親団体がバックについて、6人もの私選弁護士を雇ってまで控訴した事実を考えてです。)


この裁判については、実は憶測だけで順子ちゃんを問題児にしたてあげていて、

死んでまで里子の子は、救われないのか

と本当に、人ごとながら涙してしまいます。


マロンさん達の記事にも書かれていないので、少しだけフォローしておくと

何故、順子ちゃんは問題児とされたか

なのですが、これはこの里親の所には順子ちゃんを預ける半年程前に、順子ちゃんのお兄ちゃん(4才)が預けられているのです。

弁護側の主張では、

順子ちゃんのお兄ちゃんに対しては、そのような行為を行っていないのだから、問題があったのは順子ちゃんである

こういう理屈から、順子ちゃんを問題児としているのです。


しかし、ここでも巧みなごまかしがあり、

順子ちゃんのお兄ちゃんへの、虐待行為があったかどうか

これについては、客観的事実は何一つなく、ただ

事件発覚時には無事だった

これだけが根拠です。

順子ちゃんが預けられる前に、このお兄ちゃんに虐待行為があったかどうかといった事を、近所の人に聞いたわけでも、このお兄ちゃん自身に聞いたわけでも、何でもないのです。

また、順子ちゃんを預ける段階で、このお兄ちゃんを検査したと言ったわけでもありません。

言い換えるなら、

順子ちゃんが預けられた事により、虐待の対象がお兄ちゃんから、順子ちゃんに移っただけ

かも知れないのです。


この「真相究明のための裁判」では、このように憶測だけが先行していて、順子ちゃんは問題児扱いされています。

専門家と言われる人の意見も借り、順子ちゃんと全く関係のない事例を持ち出してまで、あたかも順子ちゃんが問題児のように仕立て上げる事が、彼(女)たちのいう、真相究明だったのでしょうか。


亡くなった順子ちゃんの為にも、あえて声を大にして言います。

順子ちゃんが問題児であるという、客観的事実も、証拠もありません。

単に憶測による誘導で、順子ちゃんは問題児にされたのです。


同じように子どもを持つ親として、現在、子育てをしている皆さんは、どう感じるでしょう。

また、子育てをされていない方も、一緒に考えてみてください。

里親団体の言うように、

本当に真相究明がされて、順子ちゃんの魂は浮かばれたのでしょうか


たとえ裁判の結果がどうであれ、里親団体の主張がどうであれ、読者の方は、読者の方の信じる気持ちに従って、この事件を考えてみてください。

もし、あなたの考えが、仮に私やマロンさんたちと違っていたとしても、

沢山の方が事実を知り、真剣に考えてくれること

これが虐待の末、亡くなった順子ちゃんに報いる、私たちにできる方法の一つと、私は信じます。


天国では、幸せに暮らせますように・・・。