図書館内の本の置き方(分類)について | 学校図書館司書な日々

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初心者さん向けです。

今日は、図書館内の本の置き方について、書こうと思います。


書店と図書館、本の置き方が違うと思われた方、おられませんか? その悩みも一挙に解決です。


まず、


図書館の本の置き方には、決まりがあります。


適当じゃないんです!!


毎年、年度初めに児童にはレクリエーション説明するので、児童は覚えてくれているのですが、案外、先生方が覚えてくれていないです。

何年も一緒に勤めているのに、先生の中には、司書である私が覚えやすいところに、適当に置いていると、思っていた方もいらっしゃいました。

丸つけに必死過ぎです、先生!! たまには、私の話も児童と一緒に聞いてください。とは、本人に言えないので、ここでつぶやく。



公共図書館でも、学校図書館でも、そうなのですが、本の背表紙に「ラベル」が貼ってあるのは、ご存知でしょうか?



この「ラベル」上の図は3段ラベルですが、図書館によっては、1段だったり、2段だったりします。

「ラベル」の中に、何やら番号やひらがながかいてありますね?
この「ラベル」の順番に、図書館の本は配置されています。

では、この「ラベル」数字やひらがなの意味を説明します

1段目が、分類番号
2段目が、作者名の頭文字
3段目が、本の巻数

という具合です。
もちろん、違う図書館もあるようですが、この形がオーソドックスのようでした。(学校図書館司書による研究班のひとつが、我が市の学校を調べたところによるとなので、ひょっとすると、全然違うところもあるかもです。ただ、公共図書館もこの形が多いようです。)
ですので、1段だけのラベルでしたら、「分類番号」、2段のラベルは「分類番号」と「作者名の頭文字」というところが、多いようです。また、2段目は、「出版社の頭文字」というところもあるようですし、3段目が別の「分類番号」ということもあるようです。

「作者名の頭文字」もわかる、「本の巻数」もわかる、が「分類番号」って?

と思われる方もおられるかもしれません。

分類番号とは、
本を内容によって分て、それを番号で示したものです。
国際十進分類法とか、さまざまな国の分類法があったりするのですが、日本では、「日本十進分類法」が一番メジャーな感じです。公共図書館では99%この分類法を使っているらしいです。

ですので、我が校も(同市内の他校も)「日本十進分類法」です。

001~999まで、100区分あり、さらに、小数点(?)が付いたりします。

例えば、日本の小説ですと、913.6と付きます。この番号は、芥川龍之介さんでも村上春樹さんでも日本の小説なら一緒です。

小学校では、頭の一ケタか二ケタで分類しているところが多いようで、中学校では3ケタもしくは小数点第一位までで分類しているところが多いようです。(我が市では)

ですので、うちの小学校で日本の小説を分類すると、91と付きます。

頭の一ケタのことを第一次区分とか呼ぶのですが、そちらだけ参考までにここに書いておきます。(100とか1000とかは書ききれないので、10コだけの、第一次区分だけ)

日本十進分類法 第一次区分

0 総記 (百科事典とか図鑑とかもここのことがある)

1 哲学 (心理学とか宗教。占いとかもここ)

2 歴史 (歴史とか地理。伝記マンガとかもここ)

3 社会科学 (社会科関係。昔話とか戦争ものもここ)

4 自然科学 (理科とか算数とか)

5 技術 (工業とか家庭科。手芸やお料理もここ)

6 産業

7 芸術 (美術、音楽、スポーツ、室内遊び。マンガとか映画の本もここ)

8 言語

9 文学 (小学校では、文学の中でも絵本は「E」などとして別に分類しているところも多いです)


たとえば、「ONE PIECE」の1巻が、

ONE PIECE 1 (ジャンプ・コミックス)/尾田 栄一郎
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もし我が校にあるとしたら、


72(マンガの分類番号。別の分類にするところもあります)

(尾田栄一郎の頭文字)

1(1巻)


という風にラベルを作ります。うちに「ONE PIECE」ないけどね。


で、本にラベルが貼れましたら、


分類番号順 > 作者名のあいうえお順 > 巻数順


本棚に並べていきます

ですので、

「書店では出版社別に並んでいるのに、図書館では作者順?」

と思われていた方も多いと思いますが、この為なのです。図書館では探しやすさ優先、書店では発注のしやすさ優先といった並びであろうと思われます。ちなみに、書店では出版社が目録(出版リスト)を送ってこられて、それを観て在庫確認や発注作業をしたりします。(一昔前の話で、今は都心とかハイテク化してるかも?)


話は戻って、図書館内の本の並べ方ですが、


図書館の入り口から入って左手から、図書館内ぐるりと右へ向かって置きます


本棚の中では、左上から右下へ向かって順に並べ、次の本棚へとなっています。


我が校の場合は、ざっくりと↓こんな感じです。



もちろん本棚や、よく貸し出しされる分類、などなどによって、それぞれの図書館の配置は若干変わってきます。


見学に行った、県立高校の学校図書館では、概ねこの並び方で専門分野だけ特設コーナーが設けられていました。国立大学は、数階建ての大きな図書館だったので、階数ごとに分野別になっていましたが、本棚の並び方は概ねこの通りでした。


この分類を覚えておくと、どこの公共図書館でも本を簡単に探す事ができる、小学校から中学校に行っても、すぐに探せるということで、

確か、小学校3年生の国語で、この図書館についての勉強をする為、近くの公共図書館に見学に行ったり、調べ学習したりしています。





私は、この配置を覚えてもらうレクリエーションの時に、


ひとクラスを何チームかに分て、リーダーにタイトルだけを書いた紙を渡し、

「『その紙』と、『そのタイトルの本』と、『そのタイトルの本の中に入っているしおり』を名探偵コナンのように推理して、探してくるように」

というゲームをします

いわゆる宝探しです

注意点は、

1 リーダーが必ず、『タイトルの紙』を綺麗に持つ事。他の者が触ってはいけない。

 (紙を奪ってひとりで探す子どもの防止)


2 チーム全員で探し、チーム全員で持ってくる事。

 (仲間はずれ防止)


3 このゲームでは興奮して騒ぐ人がたまにいるが、コナンのようにスマートに探し、カッコよく持ってくる事。

 (騒ぐの防止)


4 探し終えたチームから、本の返却・貸し出し。

 (遊んで探さないの防止)


としておくと、『タイトルの紙』と壁に貼ってある分類表、図書館の配置図を見比べて、静かに協力して本を探します。宝探しは面白いので、静かに盛り上がります。うるさいと、私が怒って、

「キミら失格~」

と紙を取り上げるので。

ちなみに、チームもリーダーも、この机の者同士とか、出席番号4の倍数とか決めます。好きな者同士にしない、リーダーはランダムとしています。



で、これを毎年、学年が上がる度にしているので、児童は本の探し方を覚えます。

が、最初に戻りますが、先生方が案外覚えてくれません。

一緒にゲームに参加してくれる先生は覚えてくれてるみたいです。


もっと図書館に興味を持ってもらいたいなぁ。


ということで、今日はこの辺りで。