風をつかまえた少年 | 知識の増殖曲線

風をつかまえた少年

風をつかまえた少年
風をつかまえた少年
- 学ぶことの本当の意味を教える感動の実話!

本当にいい本に出会いました!
マラウイの少年、カムクワンバが独学で勉強して、風力発電の風車まで作ってしまう、と言う話ですが、この本、本当に色々なことを教え、考えさせてくれます。

前半は、アフリカの最貧国、マラウイの生活の様子が綴られています。まだまだ魔術に頼った生活をしている彼らの暮らし、そして2001年に起こった大飢饉の話。あまりにも壮絶な惨状に、正直、読むのがつらくなってしまうような描写もあります。でも、それが世界の現状なんですよね。

そして後半、中学校も中退せざるを得なくなったカムクワンバは、ラジオをいじる楽しみを覚え、電気の仕組みに興味を持ち、NPOがつくった初等学校の図書館で1冊の本に出会い、夢中で勉強し、風力発電の風車を作ります。初めは皆にバカにされながらも、如何に自分たちが生き延び、幸せな暮らしを送れるようになるのか、はっきりとビジョンを持って、信念を持って、風車作りに取り組み、成功にこぎつけます。

世界の厳しい現状をまざまざと見せつけられ、それでも自ら夢を見、知識を得ること、学ぶことの大切さを実感させてくれる。

周りの大人たちの想像をはるかに超えたところで、アフリカを変えていこうとしている子供・若者たちがいる。

そしてそこに、大人たち、或いは世界の人々がどう関われるのかを考えさせてくれる。

我々日本人、大人も子供も含めて、この本から感じ取れることは山のようにあります。
本当に様々な視点から読める、すばらしい本だと思います。