セリエAを馬鹿にすんじゃねぇ!! | La Gajitta dello Sport

今日は休みということで、出かけようと思いましたが、外は猛吹雪で-18℃ということもあり、無理と判断。

コラム的なものを投稿しようと思います。


ここ数年、知恵袋や某サイトのコメント欄、掲示板なんかでセリエAを揶揄する意見を多数見かけます。簡単にいうと~・・・


『セリエAってもう人気もねーし貧乏だしー。スタジアムも古くていつもガラガラだしー。

際立ったスター選手もいねーし、もうとっくに衰退した落ち目のリーグだぜー。』


うるせーよ馬鹿!!

と突っ込みたくなりますが、今回は「なぜそうなったか」という背景や、「これからどうなるんだろう」といった展望なんかをデータを交えてご紹介。果たしてセリエAはこれから衰退の一途をたどってしまうのだろうか・・・!!!※今回紹介するデータは主に12-13シーズンのもの。


セリエAは本当に終わってしまったのか!?

ここからが本題。まずは欧州主要リーグの総収入トップ20クラブをご紹介。我らがインテル初めユベントス、ミラン、ローマなどはどんな位置にいるのだろうか!!


※デロイト社 2014年調べ


がび~~~ん。ユベントスやミランですら1位レアル・マドリーの半分程度

我らがインテルに至ってはレアル・マドリーの30%しかありません(泣)。

ローマはなんとか19位にいますが、ナポリに至ってはランク外(22位)!!

レアルやバルサ、バイエルン、そしてプレミア勢の強さをまざまざと見せつけられる結果に・・・。


それでは次に、チケット収入、テレビ放映権収入、コマーシャル収入を別にランキングしてみましょう。どこかに解決策を見い出せるかもしれません(汗)!!!

まずはテレビ放映権収入に絞って、ランク付けしてみました。



・・・おやおや???

ユベントスがレアル、バルサに次ぐ第3位!!ミランも4位に入っています!!

なんだか嬉しくなりますね!!


テレビ放映権というのは、各リーグでその分配方法は異なります。

セリエAの場合は確か40%が20クラブ均等配分。30%は前年度の成績。30%が過去の歴史、タイトル数なんかを考慮して分配されています。プレミアの場合は50%が均等配分、50%が前年度の成績によって分配。まぁ元々の放映権料がセリエAは1200億円。プレミアリーグの2900億円に比べて残念な感じですが、それでもユベントスとミランの健闘には光るものがありますね!!


今回は総収入トップ20クラブのみの紹介なので名前はありませんが、本当であればここにナポリの名前も結構いい順位にいるはず。昨シーズンの成績がそのまま収入につながるとあれば、今シーズンのインテルもなるべくいい順位で終えてもらいたいものですね!!


余談1:スペインのリーガエスパニョーラ。

レアル、バルサの2強とアトレチコとの差がとんでもなく開いています。

これはこの国独特の放映権分配方法が問題。

テレビ放映権というのは、リーグ単位で管理するのが普通ですが、リーガエスパニョーラの場合、クラブが個別に放映権の売買を行っています。これが原因で放映権の50%以上をレアルとバルサが独占し、このような格差が生まれる形に。これこそがリーガエスパニョーラが抱える最大の問題ともいえるでしょう。ただでさえ経済危機を迎えているスペイン。レアル、バルサ以外の18クラブが悲鳴をあげるのも無理ありません。


気持ちを切り替えて、コマーシャル収入に絞ってのランキングをご紹介。



なななな、なんじゃこるるるるるりゃぁぁぁぁぁっっ!!!

酷い、酷すぎる。

コマーシャル収入というのは、ユニフォームなどのグッズ販売や、ユニフォームのメーカー(Nike、Adidas、Pumaなど)、胸スポンサーに代表されるスポンサー収入なんかもこれに含まれます。グッズ販売に限って言えば、セリエAはかなり不真面目。イタリアの経済危機もあり、グッズを買うためのお金も子供たちは出せない?・・・いやしかし、スペインなんてイタリア以上の経済危機だぞ??イタリアのクラブがいかに「アピール下手」なのかが如実に表れていますね。もちろん、巨額のスポンサー契約を結べないってのも原因の1つでしょう。


さてさて、逆にいえば「改善の余地」があるのがこの分野。

最近インテルを買収し新会長に就任したエリック・トヒルさんもこの分野の開拓を目指すとコメントしています。これに限らず、何をしても無駄というわけでは一切なく、成功しているクラブの真似をすればいいだけのこと。モデルはたくさんあります。


余談2:パリSGのコマーシャル収入。

この分野において他の追随を許さない数値を残したパリSG。

世界一マーケティング上手なバイエルンを差し置いての1位。そもそもFFPというのは、赤字分をオーナー、またはオーナー会社からの補填を禁止するもので、それ以外のところからの補填はOKのよう・・・。まさに「抜け道」ってこういうことなのでしょうか。パリSGはオーナー(カタール王族)の息のかかった公的機関と約180億円のスポンサー契約を結び、見事に赤字を補填した模様。だってオーナー会社じゃないんだもん別にいいじゃんってか!?

FFPって一体・・・。そりゃね、パリSGのような大型補強を毎年繰り返す、そういった行為をやめさせるためにFFPが導入されたわけではなく、あくまでも欧州全クラブの健全経営化を目指すべく導入されたわけですが・・・FFPに馬鹿みたく取り組んでるイタリア勢が切なくなりますね。


次にこちら、チケット収入のみを抽出したランキング。



見事に玉砕。イタリア勢のチケット収入が少なすぎまっせ!!

チケット収入というのは、読んで字のごとく、スタジアムに足を運んでくれたファンから頂ける入場料のこと。ふむふむ、つまり~・・・セリエAはお客さんが全然来ていないという裏付けになってしまうのでは・・・?

※イタリア勢のチケット収入の少なさについては、後のチケット収入効率を説明する際に詳しくご紹介します。)


とりあえず、12-13シーズンの平均観客動員数でも見てみましょう。


で、ですよね~(汗)。

トップ20にイタリア勢はインテルのみ、しかもギリギリ20位!!!www

そんで~・・・ミラン29位、ローマ34位、・・・もう嫌やっ!!!

ドルトムントの8万人って・・・おかしすぎるやろっ!!!


でもこのランキング、な~~~んか変じゃありませんか?

チケット収入ランクでトップ20にも入っていないクラブの名前がチラホラありますね。アヤックス、ニューキャッスル、シュトゥットガルト、フランクフルト、ボルシアMG、フェイエノールト、セルティックにレンジャーズ???主にドイツ勢が上位にいるのが目立ちます。逆に「なんでいないんだよ!!」と思われるクラブもあります(ユベントス、チェルシー、リヴァプール、パリSG)。


これは明らかに変ですね。チケット収入ランキングが間違っているのか、それともこの平均観客動員数に間違いがあるのか・・・。ということで、ここで一言。


【観客数の多さ=チケット収入の多さ】ではありまへんっ!!!


ここで見てほしいのが、主要4大リーグのチケット価格。

ちなみに12-13シーズンの1試合平均価格です。




見てわかるとおり、ブンデスリーガのチケットがめちゃめちゃ安いっ!!!!

こんなに安かったら毎回のデートでもぜひ利用しちゃうか~くらい安い。

チケットというのは、対戦相手や見る席によって様々に上下します。

最高と書かれている欄は、1年間を通してそのリーグで行われたそれぞれの試合で、最も高かったチケットの値段の平均。最低はその逆です。


最低の欄に絞ってみると、ブンデスリーガは平均10.33ポンド。現在のレート、1ポンド165.52円で換算すると、日本円でブンデスリーガの最安値チケットの平均は約1700円とのこと。セリエAは約2300円、リーガは約4000円、プレミアは4600円。まぁ確かにブンデスリーガが1番安いのはわかるけど、それでもセリエAとは600円しか違わないし、これくらいの差で客足にあんな差はでねーだろと思いますか???


ここでポイントとなるのが、最高額の値段。

ブンデスリーガ約7800円。セリエA約15400円。

わーお、倍ですよ、倍!・・・特に気になるのが最安と最高の差ですね。


こんな感じで、ブンデスリーガの集客の良さは、このチケットの安さが要因。

しかしチケットの値段が安いため、客は入るがチケット収入には繋がっていない。

逆に言えば、長年の健全経営があってのこの値段設定ともいえますね。


一方のセリエA、安い席は売れるが、高い席は売れない。結果として、客足に影響はでるが、チケット収入はそこそこもらえるって感じでしょうか。

そりゃ経済危機ですもん、15000円も出して1試合応援に行く気にもなかなかなれませんよね。テレビで見てた方が断然お得です。スタジアムがガラガラに見えるのも、客足の少なさと大きすぎるスタジアム、が原因でそう見えてしまうんだと思います。スタジアムの老朽化が進み、治安が悪いってのも原因の1つでしょうね。



The チケット収入効率

チケットの値段や観客動員数の話はこれくらいにして、イタリア勢が直面している真の問題についてご紹介しましょう。ずばり、チケット収入効率の悪さについて。


チケット収入効率というのは、

((チケット収入×100)÷(平均観客動員数))で簡単に算出でき、出た答えを×100して%表示にしたものです。

この数値が高ければ高いほど、

少ない観客動員数ながら効率よくチケット収入を得ている】ということになります。簡単にいっちゃうと、この数値が高いと単純に人気があるってことですかね。高いチケット代でもスタジアムにファンがちゃんと足を運んでいるということになりますから・・・。


それではこのチケット収入効率をランキングにしてご紹介!!!


ううう・・・。息巻いて紹介してみたものの、いざグラフを見ると悲しくなります。

ミラン、ローマ、インテル・・・お前らどんだけ効率悪いんだよ・・・。

ここで注目してほしいのが、トップがチェルシーだということ。平均観客動員数はランク外の27位(41462人)ですが、チケットの値段が高いため見事1位。チケット収入そのものはマンUが1位ですが、1番効率がいいのがチェルシーなのです。マンUの場合、チケットの値段は確かに高いですが、約75000人という観客動員数が多すぎるため、効率は3位ということになっています。


さて、先ほどチケット収入ランキングで紹介した際に保留としていました、

なぜセリエAはチケット収入が少ないのか?」ということですが・・・


理由は簡単。

イタリアのほとんどのクラブは市からスタジアムを借りている状態で、チケット収入の中からコムーネ(地方自治体)にレンタル料として支払っているためチケット収入が少ないのです。


いったいどれだけレンタル料として支払っているか明確な数字はわかりませんが、平均してチケット収入の約60%をコムーネに搾取されているとのこと。これじゃいくらお客さんを呼んでチケット収入を稼いでも、その分コムーネが喜んじゃいますよね。憎たらしいったらありゃしない。


このクソみたいな状況を打破すべく、先陣を切ったのがそう、ユベントスなのです。

チケット収入ランキングチケット収入効率ランキングを見て疑問に思った方も多いでしょう。なぜユベントスだけセリエAクラブの中ではずば抜けているのか。


11-12シーズンからユベントスはイタリア初のクラブ所有スタジアム「ニュー・ユベントス・スタジアム」を使用しています。もちろん、10-11シーズンまでユベントスは他のセリエAクラブと同様にトリノ市からスタジアムを借りて試合をしていましたが、その時のチケット収入は酷いものでした。最終シーズンとなった10-11シーズンのチケット収入はたったの1160万€だったんですよ。あまりにも安すぎます。


ん?1160万€・・・??・・・ちょ、ちょっと待て~~~~い!!!


そうなんです!10-11シーズンに1160万€しか稼げなかったチケット収入。12-13シーズンのチケット収入ランキングを改めて見てみると、ユベントスのチケット収入は3800万€と大幅UPしています。わずか2シーズンで、なんと3.28倍です。今までコムーネがユベントスからどれだけお金を搾り取っていたかが見事にわかります。


確かにユベントスの観客動員数は新スタジアムを使用するようになってから増えました。しかし、それでも2シーズンで1.2倍しか増加していません。概要いっちゃうと


10-11シーズン 32216人

12-13シーズン 38703人


とこんな感じです。集客がたった1.2倍なのに、チケット収入が3.28倍!?

コムーネ、ふざけんじゃねー!!!www


さてみなさん、もうお気づきでしょう。自前スタジアムの魔力にwwwwww

仮にトップ20に名前のあるミラン、インテル、ローマがそれぞれ自前の新スタジアムを建設したとしましょう。2年後、チケット収入にはこんな変化が見込めます。



いかがでしょうか。ミラン、インテル、ローマの3クラブはもともとの観客動員数の多さを武器に一気にチケット収入を伸ばすことが予想されます。


注意してほしいのが、これはあくまでもユベントスが3.28倍のチケット収入を記録したことを参考にミラン、ローマ、インテルの数値を単純に3.28倍にしたものです。仮に上記の3クラブが新スタジアムを建設した際、その時の観客動員数やチケットの値段なんかで如何様にも動きます。もしかしたら、ユベントス並みの増加は見込めないかもしれないし、逆にユベントス以上の増加も考えられます。


例としてはまずミラン。観客数こそ12-13シーズンは40000人を超えていますが、今シーズン(13-14シーズン)は大不振もあり観客数は37000人程度まで落ち込んでしまいました。なので、仮にスタジアムを建ててもユベントス並みの増加は見込めないかもしれません。逆にインテルは今シーズン不振ながらもイタリアでは1位の観客動員数。そのため、ユベントス以上の増加が見込めるとされています。


さてさて、この数値をもとにチケット収入効率ランキングも変化させてみましょう。



これはビックリ。

一番チケット収入効率が良いクラブがミランになっています。

ローマやインテルも上位に食い込んでますね。

まぁこのランキングは先述したようにユベントスの変化をそのまま他のクラブに当てはめただけなので、セリエAファンの皆様、そこまで「おおっ!」と思わないでいただきたい。実際は3.28倍よりも多いかもしれないし、少ないかもしれません。


ここまでの考察で、イタリアのクラブに必要なのは自前スタジアムの建設によるチケット収入額のUPと、コマーシャル戦略の改善だというのがわかりました。


自前スタジアムの建設・・・夢のような話ですが、実際ユベントス以外のクラブはこの新スタジアム建設に向けてどんな動きをしているのか、わかる範囲でご紹介しましょう。


インテル

新会長に就任したインドネシアのメディア王、トヒルの資金を頼りに、着々とスタジアム建設計画が進んでいるようです。すでに候補地が絞られており、18-19シーズンの完成を目標に動いているとのこと。早いところ、「建てまっせ!」という明確な声明みたいなものがほしいですね。


ミラン

インテルが新スタジアム建設計画が進むとともに、ミランのサンシーロ買収計画も現実味のある噂のようです。ただ買収するだけなのか、少し手を加えるのか、それはわかりません。他にもサンシーロの横にある競馬場?のような場所にインテルと協力して新スタジアムを建てるとか、ミラノ万博跡地に新スタジアム建てるとか・・・いずれにしよ、楽しみですね。


ローマ

実はローマも新スタジアム建設計画が着々と進行中。今シーズン着工予定で、16-17シーズンからの使用を目標にしている模様。キャパは55000~60000人になる予定って報道もアリ。サッカースタジアムでありながら、商業施設として数々のアイディアがあるようです。もしかしたら2番手はこのローマかもしれませんね。


ナポリ

ナポリ市長が「新スタジアム建設」を公表した模様。もはやボロボロのサン・パオロ、これを改修するのか、または別のところに建てるのかはわからない。デ・ラウレンティス会長曰く「改修するとのことで話は進めているが、もし許可が下りなければ14年1月から別のところで新スタジアム建設を着工する」とコメントした模様。


ラツィオ

建設計画はありそうだが、ローマと違って問題は山積み。構想なんかはいろいろ出ていますが、ん~・・・まずはローマかな?


ウディネーゼ

公式HPから、新スタジアム建設の概要が発表されているので、かなり信憑性が高い。ポッツォ会長のコメントもある。25000人収容のスタジアムのようだ。


パレルモ

セリエBだろ!とそういう反応はいりません。おそらく来シーズンセリエAに戻ってきます。そんなパレルモも実は結構前に35000人収容の新スタジアム構想を公式HPから発表している。実は話題になってないだけで、もう作ってるのかもしれません。


ジェノア

建設計画はあるっちゃーある。ただし、地元のファンが反対しているらしい。


フィオレンティーナ

おっと忘れていましたフィオレンティーナ。今シーズン終了までにサインされる見通しで、40000人収容の新スタジアムが建設される見通し。建設期間、予算、スポンサーのリクエストも報道されていることから、おそらく建つと思われる。フィレンツェだったら、紫を取り入れたすげーオシャレなスタジアムになりそう。


まだあったかな???ん~わからん。


とりあえず、イタリア主要クラブのほとんどは新スタジアムを建てるつもりみたい。他にもクラブはいろいろありますが、ユベントスをモデルに成功するクラブがたくさん現れれば、それを追うように他のクラブも新スタジアム建設を目指し始めるでしょう。


以上のように、新スタジアムを建てれれば、建てたクラブの景気は少なからず潤うのではなかろうか。お金は確かにありません。しかし、夢がないわけでもありません。今後数年はセリエAファンにとっては暗い時代かもしれませんが、10年後、欧州の舞台で活躍するセリエA勢が戻ってきていることに期待しましょう!!!


とりあえず、僕は生きているうちにインテルがもう一度世界一になるのを見れればいいかな~なんて思っていますwww


いや~長かった。疲れた。

最後まで読んでくれた人っているのかな?

間違いだらけかもしれませんが、素人の戯言と思って優しい対応をwww

朝9時から書き始めて、今17時。ぶっちゃけ仕事よりも疲れましたwww

Forza SerieA