今回は時事論文です。昨年は「裁判員制度」という驚くべきテーマが出題されましたので,興味津々でした。そしてことし出題されたのはなんと「シーシェパードにどう対処すべきか?」。


問題文を見てまず思ったのは,「こんな問題出していいの?」。海賊にどう対処すべきかという一般的なテーマではなくて,「シーシェパード」という特定の団体にどのように対処すべきかという問題でした。試験で固有名詞を出しちゃっていいんですかね?シーシェパードの人がこのことを知ったら,問題になるんじゃないですかね?


解答は十分可能だと思いますが,ただ注意してほしいのは,公海上の取り締まりのことばかり書くのはよくないという点です。公海における取り締まりは対処療法にすぎず,根本的な解決にはならないからです。シーシェパードの活動を支持する人も多いわけで,多くの有名人・企業がシーシェパードに資金提供をしているわけですから,これをなんとかしないと問題は解決しないわけです。このあたりについてきちんとかけたかどうかが重要であろうと思います。


なお外国語試験ですが,外国語訳は日本経済新聞の中国の国防費に関する記事と,曽野綾子の『アフリカ』の一節が出題されました(著作権の都合上,問題文は掲載できません)。英文和訳は,Foreign Affairsの核抑止力に関する論文の一節と,BBCNEWSの音声認識技術を用いたYouTubeの自動字幕機能に関する記事が出題されました。2題出題され1題は国際関係に関するもの,1題は日常生活に関するものという傾向は例年と一緒です。受験する外国語で書かれた新聞は,よく読んでおいたほうがいいでしょう。


以上が今年の本試験についてのコメントです