1951年に公開された「地球の静止する日」のリメイク作品
だそうですが、本作はその邦題が「地球が静止する日」に
なっています。
1951年版は「米ソ冷戦」や、それに伴う「核戦争」など、
当時の時代的背景が示されていたそうですが、
本作では、むしろ「地球」という人類存在の基盤についても
触れられています。
従来の異星人SF作品では、大方のところ「地球人類との戦争」、
または「地球人類との友好」といった、「地球人類」との関りの
面をテーマにするのが常でした。
ところが、本作においては、そのテーマが「地球」そのものに、
変化している印象があります。
~この貴重な「地球」を守るためには、その環境を破壊し続ける
人類を、どう扱ったら良いものか?~
大量消費を当たり前のものとして、地球の環境破壊に鈍感な
日本人にとっても、ちょっとばかり耳の痛いテーマです。
異星人のこう言い放ちます。
~この「地球」を、「人間」たちから救うために来たのだ~
もっともその「地球」に生存する「人類」が作った作品ですから、
~「地球」を守るためには、「人類を皆殺し」にするのが正しい~
という結論にはなっていません。
本当を言えば、その主張の方が妥当?であり、手っ取り早い
ような気がしないでもないのですが・・・
さすがに、映画作品としては過激にすぎる主張なのでしょう。
ここまで一足飛びの内容にしてしまうと、間違いなく
興行成績にも影響してしまうでしょうからね。
かくして、異星人と地球人類との「話し合い」?が・・・
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「地球が静止する日」 2008年 監督:スコット・デリクソン
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キアヌ・リーブス
出演は、地球人?異星人?にキアヌ・リーブス、
地球外生物学者先生にジェニファー・コネリー、
合衆国国防長官にキャシー・ベイツ、
異星人?Mr.ウーにジェームズ・ホン
他にもカイル・チャンドラーなど。
地球の深刻な事態を訴えた作品は、
ノーベル平和賞の元アメリカ副大統領アル・ゴアが主演した
2006年ドキュメンタリー「不都合な真実」もありました。
もっとも、その後はいささか「尻すぼみ」の感があって、
~喉元過ぎれば熱さ忘れる~と言ったところでしょうか。
やっぱり、
~「地球」を守るためには、「人類を皆殺し」にするのが正しい~
のかもしれません。
ちなみに、1951年「地球の静止する日」は、
監督:ロバート・ワイズ(ウエスト・サイド物語)
出演:マイケル・レニー/パトリシア・ニール/サム・ジャッフェなど
半世紀を経てのリメイクですから、スタッフ・キャストだけでは
なく、作品自体のテーマ、映像技術など、あらゆる点に
その「違い」が見えるのが興味深いところです。
アンティークな作品が多くて恐縮至極にございます。
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