281「地球が静止する日」→リメイク作品 | 映画横丁758番地

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生きているうちに一度は(何度でも)観ておきたい映画について、変幻自在・巧拙緻雑・玉石混淆で書いています。

1951年に公開された「地球静止する日」のリメイク作品

だそうですが、本作はその邦題が「地球静止する日」に

なっています。


1951年版は「米ソ冷戦」や、それに伴う「核戦争」など、

当時の時代的背景が示されていたそうですが、

本作では、むしろ「地球」という人類存在の基盤についても

触れられています。


従来の異星人SF作品では、大方のところ「地球人類との戦争」、

または「地球人類との友好」といった、「地球人類」との関りの

面をテーマにするのが常でした。

ところが、本作においては、そのテーマが「地球」そのものに、

変化している印象があります。


~この貴重な「地球」を守るためには、その環境を破壊し続ける

  人類を、どう扱ったら良いものか?~

大量消費を当たり前のものとして、地球の環境破壊に鈍感な

日本人にとっても、ちょっとばかり耳の痛いテーマです。


異星人のこう言い放ちます。
~この「地球」を、「人間」たちから救うために来たのだ~


もっともその「地球」に生存する「人類」が作った作品ですから、

~「地球」を守るためには、「人類を皆殺し」にするのが正しい~

という結論にはなっていません。


本当を言えば、その主張の方が妥当?であり、手っ取り早い

ような気がしないでもないのですが・・・

さすがに、映画作品としては過激にすぎる主張なのでしょう。

ここまで一足飛びの内容にしてしまうと、間違いなく

興行成績にも影響してしまうでしょうからね。


かくして、異星人と地球人類との「話し合い」?が・・・


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 「地球が静止する日」  2008年 監督:スコット・デリクソン
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地球が静止する日51  
キアヌ・リーブス



出演は、地球人?異星人?にキアヌ・リーブス、

地球外生物学者先生にジェニファー・コネリー、

合衆国国防長官にキャシー・ベイツ、

異星人?Mr.ウーにジェームズ・ホン

他にもカイル・チャンドラーなど。



地球の深刻な事態を訴えた作品は、

ノーベル平和賞の元アメリカ副大統領アル・ゴアが主演した

2006年ドキュメンタリー「不都合な真実」もありました。

もっとも、その後はいささか「尻すぼみ」の感があって、

~喉元過ぎれば熱さ忘れる~と言ったところでしょうか。


やっぱり、

~「地球」を守るためには、「人類を皆殺し」にするのが正しい~

のかもしれません。


ちなみに、1951年「地球の静止する日」は、

監督:ロバート・ワイズ(ウエスト・サイド物語)

出演:マイケル・レニー/パトリシア・ニール/サム・ジャッフェなど


半世紀を経てのリメイクですから、スタッフ・キャストだけでは

なく、作品自体のテーマ、映像技術など、あらゆる点に

その「違い」が見えるのが興味深いところです。 



アンティークな作品が多くて恐縮至極にございます。

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