がちゃぴんのブログ

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我が家には、ジャンガリアンハムスター(プディング♀)の「らん(蘭)」と、ロボロフスキーハムスター(ノーマル♀)の「ごま」がいる。


そして、その2匹ともある1種類のペレットだけなぜか食べてくれない。


それは、「ニッパイ プチハムスターフード」の茶色いやつヤーツ


中でも、"らん"に至っては、まーるく食べて残すから性質が悪い。


まだ、食べずに残してくれたほうがスッキリするのだが・・・。
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がちゃぴんのブログ-らん(蘭)



がちゃぴんのブログ



あるところに白ハムが1匹いた。

名前はチロ、理由は色が白いから。

そして、チロには右手の先がない。 小さいときに、ママハムに噛まれてしまっていた。

そんなチロをかわいそうだと思い、今の飼い主が里子に連れてきたのだった。


ある晩、チロが寝ていると目の前に明るい光が現れて、煙がモクモクと立ちこめてきた。 そして、誰かが自分の名前を呼んでいるのに気がついた。


「チロー、チロよ。起きるのじゃ!」

「・・・。」

「早く起きるのじゃ!」


チロは、眠い眼をこすりながらその声のするほうを見た。


「だっ、だれでちか。」

「やっと起きよったか。ワシは、ハムスター界の王”ハムキング”じゃ。」

「ハムキング?聞いたことないでちねぇ。”ムシキング”なら知っているでち。」

「だれが、ムシキングじゃ!!」


そこには、白髪のヒゲを生やし、頭には王冠のようなものをかぶったシロハムが立ってた。


「おじちゃん、偉そうでちね。」

「コラ! おじちゃんではない。王様と呼べ。」


さすがのハムキングも、チロにはたじたじのようだ。


「ところでチロよ、今、お前は幸せに暮らしているのか?」

「そうでちねー。今のご主人様は、チロにいっぱい食べ物をくれるし、かんでも怒ったりしないでち。」

「何? お前は、飼い主を噛んだりしてるのか!」

「いけないでちか?」

「ああ、なんてことだ。我々ハムスターが人間の世界で生きていくのに、決してやってはいけないことなのじゃ。」

「フーン。じゃあ、あんまりかまないようにするでち。」


チロは、ちょっと不機嫌そうな顔をした。


「さて、今日こうやってお前に会いに来たのには理由があるのじゃ。」

「なんでちか王様。おいしいものでも持ってきてくれたでちか?」

「オッホン!いいか、よく聞け。今からお前の望みを1つだけ叶えてやろうと思う。」

「フーン、なんでもいいのでちか?」


チロは、いきなり言われて頭の中で回し車がクルクル回っていた。


「たしかお前は、右手がないそうじゃの。」

「うん。でも、もうだいぶなれてきたでち。」


チロの右手は、以前のような傷口の皮膚が薄く、血がにじんでいるようなことはなくなっていた。


「でも、やはりそのままじゃ不便じゃろ。わしがその右手を元に戻してやろう。」

「うーん。」


チロは、何か考えているようだった。


「なんじゃ、うれしくないのか?」

「王様ー、ちがうことでもいいでちか?」

「うん?何か他にあるとでも言うのか。」


チロは、王様のところへ言って、耳元でささやいた。


「ほっほー、面白いことを考えたものじゃ。でもチロよ、あとで後悔せんようになっ。」

「わかったでち。だいじょうぶでち。」


チロは、喜んで眠りについたのだった・・・。


―――その夜、がちゃぴんの部屋では―――


「バリンッ!」


がちゃぴんの寝ている隣の部屋からもの凄い音がした。


「なっ、なんだ!なんだ!」


がちゃぴんは、急いで飛び起きた。そして、隣の部屋を開けてみた。

するとそこには、がちゃぴんと同じぐらいの背丈の、白い毛皮の動物が2本足で立っていた。

そしてて、横にはチロが入っていた水槽が粉々に割れていた。


「なんだ。こりゃ。」


がちゃぴんは、眼を疑った。どうみても、チロがそこにいるのだ。それも、自分と同じぐらいの大きさになって。


「おっ、お前はチロなのか?」

「そうでち。ご主人さまー。」

「ウァーーー、しゃ、しゃべった。」


がちゃぴんは、腰を抜かして座りこんでしまった。


「何、ビックリしているでちか?」

「ビッ、ビックリって、そりゃー驚くだろう。こんなにでかいハムスターがいたら・・・。それも、しゃべるハムなんて・・・。」

「よかったでち。ご主人様は、チロがしゃべっていることがわかるでちね。」

「わっ、わかるで・・ち・・。」


もう、頭がどうにかなってしまったと思い始めていた。


「ご主人さまの背の高さをぬかさないようにしたでち。」

「あっ、ありがと・・・。」

「159センチでちか?」

「ウルサイ。もっと、あるわい。」


確かに、並んでみるとチロのほうが少し低かった。

それでも、大きいことには変わりがないのだが・・・。


「それにしても、チロ。お前はなんで大きくなったりしたんだ。」


当然の質問だった。


「ハムキングのおじちゃんに、ひとつだけ願いを聞いてやるって言われたからでち。」

「ふーん、それで大きくなったってわけか。」

「そうでち。願いがかなったでち。」


チロは、うれしそうに答えた。


「でもさー、俺だったらその右手を治してもらうけどなー。」


がちゃぴんは、そんなチロの考えが理解できないでいた。


『チロは、もっともっと長生きしてご主人さまといっしょににいたいから、大きくなったでち。』


がちゃぴんは、ハッとした。 ハムスターの寿命は、せいぜい2年余り。これが人間と同じ大きさになったら、長生きできると思ったからではないかと・・・。

がちゃぴんは、そんなチロの気持ちが痛いほどわかった。


「そっかー、わかったよ、チロ。これからも、ずーっと、ずーっと一緒にいよう。」

「そうこなくっちゃでち。一緒に寝てもいいでちか。」

「ダメー。」

「なんででちかー。」

「お前、そこらじゅうにオシッコするだろ。」


そう言ってがちゃぴんは、大きな声で笑った。


“リリリーーーン、リリリーーーン、リリリーーーン”

目覚まし時計の音が部屋中に鳴り響いた。

がちゃぴんは、手を伸ばして時計を止めた。


「あっ、チロ!!」


がちゃぴんは、思わず辺りを見回した。

そして、隣の部屋を開けてみた。

そこには、スヤスヤ眠るいつものチロがいた。


――――――終わり―――――