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アメリカのフィギュアスケート雑誌 『International Figureskating』の最新号が見れるようになりました。
今月の表紙はアダム・リッポンくん。
この夏のアイスショーで彼の演技をみたとき、
「ジェフリーやランビにつづく次の王子様はこの子だ!」
と直感。
その期待を裏切らず、先日のJapan Openでは完璧に近い演技を披露して私たちを驚かせた。
彼のイーグルや片手を上げながらのルッツは最高!
いよいよスケートカナダが始まるし、今シーズンはアダムのブレイク年になるかもしれない。
今月号には大ちゃんは載ってません。
グランプリシリーズのエントリーの記事だけです。
でも、ステファンのインタビューが乗っていて、すこしだけ大ちゃんのことに触れてますので、
それを紹介しますね。
記事が小さいので、原文読みたいかたはこちら。
http://digital.ifsmagazine.com/DigitalAnywhere/viewer.aspx?id=16&pageId=14&refid=278977&s=madavor
ランビエール プロへの飛躍
2010年冬季オリンピックで、ステファン・ランビエールが大歓声の観客にお辞儀をしたとき、
その場にノスタルジアの香りがただよった。ランビエールはそれが自分にとってアマチュア最後の演技であるとわかっていた。
長い競技生活の間、その才能あるスイスのスケーターは2つの世界タイトルと2006年オリンピック銀メダルを含む、いくつかのメダルを手にしていた。
「バンクーバーオリンピックが最後で、それ以降は現役を続けるつもりはありませんでした。競技者としての自分の夢を成し遂げたので、いつまでも過去にしがみついていたくはなかったのです。」
ランビエールは説明した。
「オリンピックのすぐ後、僕はエフゲニー・プルシェンコの『Kings on Ice』のヨーロッパツアーに参加したのを皮切りに、たくさんのショーに出演しました。特に日本のショーに。どのくらい出演したかわからないけれど、オリンピックからたぶん40回くらいはしていると思います。かなり忙しかったです。」
群を抜いた芸術性をもつランビエールは、オフシーズンの間に彼の敬愛する2人のスケーターに振付の技術を伝授した。
「デニス・テンと高橋大輔のプログラムの振付をしました。2人は僕の最初の生徒なんです。」
ランビエールは微笑む。
「デニスと僕は『Kings on Ice』で一緒だったんです。オフアイスで僕らは人生のことやスケートのことなどいろいろ話しました。あるとき、デニスが僕に彼のプログラムの振付をしてくれないかと言ったんです。僕には振付師としての経験がないのに不思議でした。でもデニスは自分の考えに自信があるようでした。だから僕はこう言ったんです。『もし一緒にやる時間があるのだったら、ぜひやろう』と。」
ランビエールは5月、デニスのプログラムを作るためカザフスタンへ赴いた。
その翌週はスイスのチューリッヒで高橋大輔と作業した。
「2人の違いを見るのは興味深かったですよ。1人はとても若くてフレッシュ、もう1人は経験豊富なスケーターだったのですから。」
ランビエールは振り返る。
「デニスはとにかく僕を印象づけようとしたがっていましたが、大輔のほうがより成熟した対応でした。とてもよい経験でしたので今後ももっと続けていきたいと思います。」
スイスのスターは今すぐ今後のプランを変える予定はないと、付け足した。
「僕はとても行動派だし、まだ演技を続けたいんです。だから振付だけに集中することはないです。ですがもし、デニスや大輔のような僕の好きなスケーターたちを手助けすることができたなら、それは素晴らしいことだと思います。あまりたくさんのスケーターの振付はやりたくないです。今はまだ僕自身のスケートに集中したいですからね。」
将来コーチになる可能性について聞かれると、ランビエールは少し躊躇しながら言った。
「絶対にないとは言えないけれど、現時点ではコーチより振付のほうが自分に向いていると思います。コーチになるには経験が必要です。1人の小さなスケーターを大スターにするには時間がかかりますから。性格的に合わないと思うんです。『Right now, show me this. Give it to me now.』(マドンナの曲の歌詞)っていう心境ですよ。」
「僕が10歳の頃からコーチをしているピーター・グルッターが、とても忍耐強い人だったのは幸運でした。彼の常に信頼できるところがとても好きなんです。これをしなさい、あれをしなさいと言っているばかりの人ではなく、良い友人のようでもあったんですよ。彼は決してお金や名声のためにやっているのではなく、僕のためにいつも側にいてくれると感じさせてくれる人だったんです。
10月初旬、ランビエールはキム・ヨナとミシェル・クワンが主役のアイスショー『All That Skate LA』に出演した。
悲鳴にも似た大歓声のスタンディング・オベーションに彼は驚いた。
「自分が北米でスターだったなんて知りませんでしたよ。」
ランビエールは告白した。
「氷の上に立って、その雰囲気を感じるときが素晴らしいです。スケートというものは単にエレメンツ(要素)だけでないと感じました。お客さんがわざわざ足を運ぶのはその場の雰囲気に入り込みたいからだと、このロサンジェルスで感じましたね。僕が彼らのほうに行くと、彼らも僕の世界に一緒についてきてくれるんです。もう何も言うことはなかったですね。」
「あとデニスから聞いたんですが、イリア・クーリックがショーの夜観客の中にいて、僕のパフォーマンスの終わりに立ち上がって(スタオベ)くれたそうなんです。それを聞いたときはまるで天国にいるような気分でしたね。」
文:スーザン・D・ラッセル
【Gabby訳】