通常、我々一般投資家の注文は、寄付・大引以外は時間優先の先着順です。

でも、場中よく観察していると必ずしもそうでないことに気づくことがあります。
私が証券会社の店頭に毎日通ってた頃の実体験を一つ書きますが、値段等の数値はおおよその架空です。


東証で一日の出来高がせいぜい数千 といったほとんど商いのない或る銘柄が、朝200円で寄り付いたとします。
そして202円で千 だけ売り注文が出ていて、その後30分ほど見ていても売りも買いも新たな注文が入ってきません。
そこで担当係員に千 成り行き買いの注文を出しました。
店頭のクイックを見ていると間もなく202円で千 できたので、当然約定したものと思ってましたが、すぐに特買の気配が出てるのです。
念のため、担当に確認したところ「私の注文はできてない。
一足違いで誰かが買って、今の買い気配が私の注文だ」との事。
慌てて注文を取り消しました。
そしてクイックを見ているとすぐに205円の売り注文が千 だけ出てきて、その後しばらく様子をみていても、やはり他に注文が入ってきません。
改めて千 成り行き注文を出しました。
すると、さきほどと同じく205で出来た後買い気配になっているのです。
担当に聞くとやはり約定してないとのことで、再度注文を取り消しました。


出来高の多い銘柄ならともかく超閑散としたこんな状況で、しかも二回も続けてたまたま・・
というようなことは絶対あるはずもなく、
これは明らかに私の注文をみて、それに割り込んで自分でその売り板を払ってから
私の注文を通したということに
他なりません。
そしてそういった芸当ができるのは証券会社以外考えられません
つまり、私の成り行き注文をみて、まずその売り板を自分で買って、その後私の買い気配が少し上がったところでその を売れば差額が丸々儲けになるとということです。
(もちろん最初に出てた売り指し値というのも、ディーラー自身がエサに出してるもののハズ)


後日、私の友人で元ディーラーをやっていた人間と飲みに行った際、そのことを話すと、「なぜそんなことを知ってるのか!
これはそこらの支店長クラスの人間でも知らないことなのに・・」
と驚いていました。そしてさらに少し説明もしてくれました。


我々個人が注文を出すと、すぐに取引所に通ると思ってるだろうけど、それは間違いで、皆は知らないだろうけど「かまぼこ(サヤトリ)」というのが間にいて、そいつが、証券会社に「こういう注文がきてるけどどうしましょう?」と伺いをたてるんだそうです。
そしてディーラーが「ちょっと待たせておけ」と言ったら、そのまま何分でもほっといたりするらしいです。
そういえば、過去にも数え切れないくらいそういう場面があったけど、これで納得できました。
更新値幅の範囲内で 数が引き合う本来すぐに値がつかないといけない状況の時でも、5分どころか1時間過ぎてもいっこうに寄らず、また気配を切り上げていくこともない・・