先達ての日曜の話で恐縮なのですが、その日は午前中から金沢へと赴いて、仕事で使う器を見てきたんです。
いつも行く厨房機器を扱う量販店。
いくつか買うには買ったけど、とくに気に入った物には出会えませんでしたね。。。
その他の場所へはどこにも行かずに、富山へは正午過ぎには戻ってきましたが、それで終わるのでは休日なのにあまりにもさびしい。。。
ということで僕は、先週見に行き損ねたコチラの映画(↑)『ブラック・スワン』を観にゆくことに。
麗しきナタリー・ポートマンが、今年のオスカー主演女優賞を得た作品です。
隣でやっていた『パイレーツ・オブ・カリビアン4』に比べれば小品だし、3D作品でもないのですが、舐めてかかると痛い目に会う、そんな作品でしょうか。。。
いや~・・・いろんな意味で圧倒された。
そして、一言で言い表すと「痛い」映画でした(><)
途中、目をそむけたくなるようなシーンがてんこ盛りで、何度劇場から立ち去ってしまいたいとさえ思ったことか。。。
……でも、なぜかそれが出来なかったんですよね~。
怖いものみたさ? 不思議でダークな魅力に満ちた作品でしたよ。
最後まで、観客席に釘付けでした。
ピークを疾うに過ぎたベテランプリマに代って、名門バレエ団のプリマに抜擢された若きヒロイン=ニナ。彼女の苦悩の日々を公演初日終了まで追う形で物語は進行してゆきます。
この作品の特徴。
それは、幼少の頃から心に強いストレスを抱き、「ある意味」念願だったプリマドンナの地位を得るも、その過度のプレッシャーによって狂気の領域にまで踏み込んでしまうほど極限状態に追い込まれてゆくニナの心理描写を接写や落ち着きのないカメラワーク、そしてVFXを駆使して描いている点でしょう。
滑り出しこそ普通ですが、彼女と母親との関係に観客が「おやっ?」と気付き始めたあたりから、どんどんニナの妄想の中へと吸い込まれて行く……
この辺の脚本の凄さと演出の巧みさは見事です。
どこまでがストーリの上での実で、はたまたどこからが虚なのか・・・
よう考えたら映画なんて全て虚であるのに、そんなことそっちのけで観てるこっちまで息苦しくなりましたから。。。
ただ、ラスト近くの黒鳥の場面では、俺は笑った(爆)
あそこはいささかやり過ぎで、ニナの心理状態を表現するには分かりやす過ぎはしまいかw
詳しくは書かないけれど、ああなってしまうとバレエも何もあったもんじゃないし。
まあ、この映画にバレエを期待して観に行く人などほとんどいないだろうからいいんですけどね(笑)
むしろこの映画では、美しいバレエの裏側でダンサーたちが足首や爪先にテーピングをグルグル巻いたり、また、血を滲ませていたりする、涙ぐましくもグロテスクな部分を容赦なく描くことに割と視点を当てているくらいですし。
しかし、この作品が斬新で優れたサイコスリラーであることには間違いは無いので、そういった意味では外さないのではないかと思います。
DVDになってからいつでも一時停止できる部屋の中で観るよりも、ぜひ劇場で観ていただきたいですね。
ラスト30分くらいは見えないロープに括られてしまいますよ。
ま、立とうと思えば立てますが(笑)
ナタリー・ポートマン主演・映画『ブラック・スワン』は現在全国主要館にて絶賛公開中です。