日本代表が親善試合でガーナに逆転勝ちしたその一日前の9月9日。
リヤドでワールドカップ予選アジア地区プレーオフ第2戦 サウジアラビア対バーレーンが行われていました。日本の親善試合とは異なって、ニュージーランドとの大陸間プレーオフをかけた文字通りの決戦です。
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ホームのサウジアラビアは、勝利しか勝ち残る道がないものの、試合終了間際の段階で得点は1対1のドロー。4大会連続出場のプライドにかけて、白いユニフォームが前のめりでボールを追う。
そしてロスタイム、サウジは執念としか言いようがない攻撃を見せる。バーレーン陣内右深いところへのパスにギリギリくらいついき、無理やり折り返したクロスに頭で合わせたシュートがバーレーンゴールに突き刺さってサウジアラビアが勝ち越し!スタジアム歓喜の絶叫!
逆にバーレーンはここでワールドカップへの道が閉ざされた・・・と誰もが思う中、しかし、赤いユニフォームのバーレーン選手は座り込まない、くじけない、必死の形相で前を向いている。ボールをセットして彼等は再び走り出す。残り時間を気にして自暴自棄に放り込むわけでもなく、なんとかボールをつなごうとする。
ロスタイムは2分を経過。しかもサウジアラビアが再びゴール前まで攻め込む展開。スタジアムの歓喜は止まらない。
ここで何とかボールを奪ったバーレーンはカウンターからコーナーキックのチャンスを得る。文字通りのラストチャンス。
左コーナー、サルマン・イッサがペナルティエリア内に送った最後のボールが早い放物線を描いて飛ぶ。これをペナルティスポット付近からイスマエール・アブドゥルラティフが頭でゴール下隅にたたき込んだ!
なんという展開。
スタジアムに満ちていた歓喜の絶叫が絶望の悲鳴に変わる。
リヤドの悲劇あるいは歓喜か。
自然と日本のドーハの悲劇を思い出しますね。
あのときの日本と違うのは、ロスタイム追いつかれたバーレーンが倒れこまなかったこと。そして前を向いて走り出したことでしょうか。最後まであきらめちゃいけませんね、本当に。
お見事、マチャラ監督。散々日本を苦しめてくれた監督ですが、なぜか憎めない監督です。
ここまできたら、なんとかニュージーランドを破って本戦にきてもらいたいものです。
それにしてもサッカーの神は恐ろしい。