30年間の思いが詰まった神輿を燃やして――諏訪2丁目住宅、最後のどんと焼き。 | ふうとも『諏訪の木陰から』

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お散歩のひとこま。

みなさん、おはようございます。

1月の第2週、 この時期の風物詩である
「どんと焼き」が、
わが諏訪2丁目住宅で開催されました。

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【1月9日(日)11時20分ころ 会場は諏訪第二公園です】

諏訪2丁目住宅は、
今年、2011年の半ばから、
建て替え計画が実行される予定です(関連コラム1同2同3)。

ということで、
建て替え前としては、
最後のどんと焼きとなります。

今回は、前日から、
例年以上に、団地全体が
そわそわした雰囲気でした。

みんな、
思うところがあるんでしょうね。

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【1月9日(日)10時30分すぎ もちつきに力が入ります】

諏訪2丁目住宅のどんと焼きは、
大きく二つの内容で構成されています。

まずは、
10時30分に開始される
おもちやけんちん汁、樽酒などの配布。

次に、
12時に始まる
「どんとや」への着火と、
多摩太鼓愛好会による
和太鼓の演奏です。

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【1月9日(日)11時ころ 佳境を迎えたおもちの配布】

おもちの配布には、
多くの人が容器を持って並びます。

持ち帰って、
家族で分けあって食べるためです。

つきたてのおもちは、
「きなこ」「あんこ」「納豆」「大根」の
4種にわけて、各種3個ずつ配られます。

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【1月9日(日)11時ころ もちつき中は休憩です】

行列が長くなるのは、
毎回、決まっています。

きなこと、あんこです。

お父さん方は、
樽酒をいただきながら
列に並びますので、
この時点で
赤ら顔になっていたりします。

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【1月9日(日)11時すぎ 最前面に「おみこし」が備えられた「どんとや」】

今回の「どんとや」には、
これまでとは
はっきり違う点がありました。

正面側の
一番目立つ場所に、
「おみこし」が
組み込まれているのです。

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【1月9日(日)11時すぎ 「楽しみを ありがとう !! 」】

このおみこしは、
住民が部品一つひとつから
手作りし、
諏訪2丁目住宅の夏祭りにおいて、
約30年間、
子供たちに担がれ続けてきたものです。

その子供たちが
いまや、親になり始め、
ふるさととして戻ってくる地域に
なり始めています。

建て替えの後、
住民が戻って、
新たなおみこしを担ぐ、
新たな夏祭りを再開できるように、
建物とともに、
一度、
その役目を終えてもらうわけです。

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【1月9日(日)12時ころ 最後におみこしが燃えつつあります】

このどんと焼きは、
諏訪2丁目住宅への入居が始まってから、
地域の盛り上げを目的に、
早い時期に始まりました。

多摩ニュータウンの
開発が始まったばかりの時期ですから、
周囲は360度、
山林に囲まれていたころです。

そんな状況で、
夜間にどんと焼きを
開催したために、
ちょっと離れた地域の住民から、
山火事と間違えられて
消防署に通報されてしまったことも
ありました。

諏訪2丁目の
住民の努力の歴史が
こんな微笑ましい逸話にくるまれながら
紹介されてゆくのです。

こんなどんと焼きは
二度と体験できないと思います。

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【1月9日(日)12時すぎ 燃え上がるどんとやと、多摩太鼓の演奏】

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【1月9日(日)12時すぎ 多摩太鼓愛好会のみなさんの勇姿】

燃え上がるどんとやとともに、
多摩太鼓の素敵な鼓動が、
建て替えに向けた
カウント・ダウンを
刻み始めているようでした。


【この稿は、「たまプレ!」の連載『諏訪の木陰から』に、2011年1月13日(木)付けで掲載された内容の転載です】