(前回の記事の続きです)

同じ車両に乗り合わせたHさん。
他の社員さんも居ないようだし、
折角、役席さんが相手なので、
仕事上の気になった事柄を
切り出す麦茶。

麦茶
「今日の部次長の話の中で、
私のいる部署が
移転を取りやめたって聞いて
びっくりしたんですけど
本当ですか?」

Hさん
「うん、そうなんだよね。
でも、移転をやめた部署は、
元の場所に戻るだけだから
業務には支障ないんだよね」

麦茶
「そうなんですね…。
私は移転を前提として
このお仕事を始めたので…
さっきも部次長から
『(遠いけど)大丈夫?』って聞かれて
『大丈夫じゃないです』って答えたんです。
部次長には
『そうだよね、上に掛け合ってみる』
と言って頂いたんですけど…
私としては、時間的にも金額的にも
通勤可能範囲を超えているので
このまま本部はちょっと…」

Hさん
「えー、じゃぁこっちの部署に
来てくださいよー」


えーっと…;


麦茶
「Hさんの部署は移転するんですよねー」

Hさん
「うん。でも全員じゃないんですよ」

麦茶
「え?みんなで、じゃないんですか?」

Hさん
「うん。退職する人や、
移転先が遠いから行けない人なんかで
何人か減っちゃうから、
人が足りなくて困ってるんです。
上は、
移転後に人を集めればいいって言うけど、
いやいや、
移転前から少しずつ慣れてもらわないと、
いきなりは無理だって思うんですよね。
そう、だから、こっち来ませんか?」


あ、
本気だったんですね;


麦茶
「だ、大丈夫なんですかね;
私、以前に△△(同業の別会社)の営業店で、
その仕事の窓口はやった事あるんですけど、
難しくて…
大変だなって印象が強くて…
そういう仕事の本部って
やっぱり難しいんじゃないですか?」

Hさん
「営業店は大変かもしれないけど
本部事務はそんな事ないよ。
それに、来てくれるなら
全面的にバックアップします。
だからやっぱり来てくださいよ。
僕からも上に言っときますから」

麦茶
「そうですね…
私でお役に立てるなら良いんですけど…
もし、本当に今の部署の移転が無いなら
よろしくお願いします♪」

Hさん
「うん。こちらこそ。
最近色々あったけど
今日は最後に良い話が聞けてよかった」

麦茶
「いえいえ、有難うございます」

そうこうしている間に
Hさんの降りる駅に到着。

挨拶をすると
Hさんはホームに消えていきました。



…うん。


何かまた一つ、動いた気がします。