「平家物語」の模写と暗唱にチャレンジ | お母さん、火って何から出来ているの?(旧)

お母さん、火って何から出来ているの?(旧)

イラストレーター古田真理子の、子どもと格闘する家庭学習の記録。またはお仕事の記録。

一年ほど前から、斉藤孝さんが編集されている「声に出すことばえほん」シリーズを、好んで購入しています。
 
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なかでも特に子供たちは、この「祇園精舎」↓がお気に入りで、
特にハナは、就寝前の絵本タイムにはこの本を「よんでー!」と何度もせがんでいます。

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「平家物語」の一節が抜き出されている、この絵本。
特に、イラストが秀逸なのです!

琵琶法師が謳う「平家物語」の節の前に次々に現れる、不気味な幽霊達。

とっても迫力のある絵なのですが、どこかユーモラスで、そんなイラストがまた魅力的ラブラブ
この絵本を読む時は、私も琵琶法師のマネ?をして、文章を節をつけて読むのですが、
それがまた歌のように聞こえるらしく、ハナは毎回固唾をのんでこの絵本を見つめています。


タロウは、そんなハナの様子を横目で見る程度で、あまり興味を持っていない様子だったのですが、
ある先日、何がきっかけだったのか、
「夏休みの読書記録」を付けるために、この「祇園精舎」を読む、と言い出しましてね。

なんだか熱心に読み出した様子でした。
そんな彼に、

私口開け
「祇園精舎、ねー。これは平家物語といってね、昔の物語なのよ」

と、背後から、声をかけてみたワタクシ。

私目閉じ得意
「お母さん、これ、高校のときに習ったわー。
 ぎおんしょうじゃのかねのこえ、しょぎょうむじょうのひびきあり。
 しゃらそうじゅのはなのいろ、じょうしゃひっすいのことわりをあらわす。


タロウ口開け得意
「へええ!覚えてるの?」

私にっこり
「うん、おぼえてるのよ、勉強したからね。すごいでしょ」
 

なんて、微妙な自慢をしていたら(笑)

タロウ得意
「あ、いいこと考えた!筆ペンちょうだい」

と言い出した、タロウ。
「なにするの?」「いいこと!」なんて言い出して、


貸そうかどうしようか迷ったのですが(筆ペンを使わせるのは初めてだったので)
私の仕事用の筆ペンを貸してあげることにすると、

タロウ、おもむろに、その筆ペンで絵本の文章を写し出してましたΣ(=°ω°=;ノ)ノ

お母さん、火って何から出来ているの?

どうやら、彼にとって、「筆(ペン)」(=昔の筆記用具)で、「昔の文字」(=平家物語のフレーズ)を書く、ということをやってみたかったらしく。

いやぁもう、私が驚くほどひたすら、黙々とした集中力で、絵本全てのフレーズを書きだしていました。

その姿勢、写経??ってな感じでw


。。。
お母さん、火って何から出来ているの?
祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響あり。

お母さん、火って何から出来ているの?
娑羅双樹の(花の)色、盛者必衰の理をあらはす。

お母さん、火って何から出来ているの?
おごれる人も久しからず、唯春の夜の夢のごとし。

お母さん、火って何から出来ているの?
たけき者も遂にはほろびぬ、偏に風の前の塵に同じ。

お母さん、火って何から出来ているの?
遠く異朝をとぶらへば、

お母さん、火って何から出来ているの?
秦の趙高(ちょうこう)、漢の王莽(おうもう)、梁の周伊(しゅうい)、唐の禄山(ろくさん)、

お母さん、火って何から出来ているの?
是等は皆旧主先皇の政(まつりごと)にもしたがはず、楽しみをきはめ、諌めをもおもひいれず、

お母さん、火って何から出来ているの?
天下の乱れむ事をさとらずして、民間の愁(うれ)ふるところを知らざッしかば、

お母さん、火って何から出来ているの?
久しからずして、亡じにし者どもなり。

お母さん、火って何から出来ているの?
近く本朝をうかがふに、承平の将門、天慶の純友、

お母さん、火って何から出来ているの?
康和の義親、平治の信頼、

お母さん、火って何から出来ているの?
此等はおごれる心もたけき事も、皆とりどりにこそありしかども、

お母さん、火って何から出来ているの?
まぢかくは六波羅の入道前太政大臣平朝臣清盛公と申しし人の有様、

お母さん、火って何から出来ているの?
伝へ承るこそ、

お母さん、火って何から出来ているの?
心も詞も及ばれね。


。。。
長時間かかりましたが、母も驚くほどの集中力で。
んまぁーー、よくぞ、写したなぁと!ビックリDASH!


ちなみに、そんな様子を見たハナも、
お母さん、火って何から出来ているの?
「ハナちゃんにも、筆ペンちょうだい!」
って言い出して、グリグリ。

こちらも何やらわからぬ?迫力ある絵が出来上がりました(笑)
お母さん、火って何から出来ているの?

。。。
まぁ、それにしてもタロウの作品がスゴかったので、

私怒り諭し
「へぇー、すごいわねぇ」

と言いつつ、タロウ作のテキストを見ながら、文章を読み上げてみた。
私も、昔の記憶を辿りながら、出来る限り、暗唱な感じで。


私横目汗
「ひとえに、風の前の塵に同じ…
 えーと、この後が覚えていないのよねぇ、なんだっけ」


などと、言っていると


タロウ目閉じ得意
「ボクも覚えてみようっと、ぎおんしょうじゃのかねのこえ…」

なんて、タロウも暗唱にチャレンジしはじめた。


私にこキラ
「小学生が、『平家物語』を暗唱できたら、かなりカッコイイわよ、頑張れ!」

なんて、すかさずおだててみる私…



ま、とはいえね。
一朝一夕に、これだけの文章を暗記なんて、私だってムリムリです。
絵本や自作テキストをチラチラとカンニングしながら、たどたどしく読んでいた私たち。


「えーっと、秦の趙高(ちょうこう)、漢の…なんだっけ?」

「ボク覚えた!
 秦の趙高(ちょうこう)、漢の王莽(おうもう)、梁の周伊(しゅうい)、唐の禄山(ろくさん)…」

「もう覚えた?スゴイ」


なーんて言っていたら、そこに割り込んで来たハナ。


ハナ正面口開け
「ハナちゃんもいえるよっ!
 ぎおんしょうじゃのかねのこえー」


って、ハナまで!
ハナ目開け口開けにっこり
「しんのちょーこー、かんのおーもー、とーのろくしゃん」

(ハナはほとんどワンフレーズのみで、微妙に細部は怪しいのですが)
でもそれでも、

いやぁもう、子供の吸収力って、スゴイ。

久々に、驚嘆しちゃったよわたしゃ。




それ以来、ご飯を食べていたり遊んでいる時でも、ふと思い出すように

タロウ真剣
「ぎおんしょうじゃのかねのこえ…」

って、ブツブツ呟いているタロウです。

いつか近いうちに、暗唱出来るようになるかしらん!?

。。。

子供たちが無茶な使い方をするものですから、
私の筆ペンはほぼ使い物にならなくなってしまいましたが(^^;
でも、筆ペン2本の値段では賄いきれない、
子供たちにとって貴重で大きな体験をしました。
筆ペン、あのとき貸してよかったw
お母さん、火って何から出来ているの?
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