靴の磨き方 |西梅田 靴磨き 大阪市| | 大阪梅田の靴磨き職人のダンディズムブログ

大阪梅田の靴磨き職人のダンディズムブログ

大阪駅前梅田付近で2年間の路上靴磨き職人をした後、
皆様方に頂いたチップで大阪市北区梅田2-5-13桜橋第一ビル301にお店を出せました。
日々ダンディズムを極める為の靴磨き技術向上に情熱を傾けております!

そんな男の靴磨き一本勝負ブログ!一同ご一読あれー!

いつもどおり久しぶりになってしまいました(^_^;)
明日からお店は一応おやすみです。

今回は久しぶりになってしまったお詫びに、靴の磨き方を更新します。
鏡面磨きは巷に転がっているブログたちに沢山やり方が書いてあるので、今回は割愛。
靴磨き職人宮田がいったい普段何を感じているのか、的な感じで進めていきます。

今回は画像沢山なので小さいのでいきます。


さて今回のターゲットは彼!
$大阪梅田の靴磨き職人のダンディズムブログ-エドワード・グリーンの黒のストレートチップ
エドワード・グリーンの黒のストレートチップ。
カッコいいですね!

さて、このイケメンの好青年なのですが、
じ・つ・は爆弾を抱えているのです。。。


それは製靴の釣り込み時に叩かれたりアイロンかけられたり日であぶられたり、とにかく散々やられるここ。
大阪梅田の靴磨き職人のダンディズムブログ-凝り性のエドワード・グリーンのストレートチップ
この指の付け根の辺りの一番膨らんだ箇所です。
判定法は指でチョンチョン押して見ることです。ポコポコしたら繊維が凝っていると見ていいでしょう。
埃を払って堆積したワックスを落としたらここに注力していきます。

凝ってるって、靴は人間ちゃうぞ!っという反論にお答えしてちょっと理屈を並べときますと、
そもそも牛皮に代表されるコラーゲン線維はコラーゲン分子の3本鎖のラセン構造を成し、それが集合して繊維束を形成しておりまして、それらの繊維の多くは水平に走っており、これらに槌をやるということは・・・、これに油脂を・・・で、最後に揉むことによって・・・(また今度)

まあとにかく硬い部分と柔かい部分の差が激しい部分があると、柔らかい部分が全ての負担を請け負うことになっちまわい!って話です。
それがいずれクラックを呼ぶとボクは踏んでいます。(明確な根拠はなし)


金属とかなら“応力集中”って言葉があるんですけど革は不明っす。




ほんで!何するかといいますと、油分を与えてモミモミするわけです。原始的な鞣し方ですな。
革+柔=鞣
大阪梅田の靴磨き職人のダンディズムブログ-これから揉まれる黒ストのエド
油分を追加投入。写真は反対の足の
大阪梅田の靴磨き職人のダンディズムブログ-柔軟性を取り戻し始めた黒ストのエディー
ちょっとずつポコポコ感が無くなってきます。
大阪梅田の靴磨き職人のダンディズムブログ-柔軟性を完全に取り戻た黒ストのエディー
ここまで来ると完全にポコポコ感がなくなって、指に吸い付いてくるかのような感じが出てきます。
ドモホルンリンクルもビックリな追従性が出たらOK。
これで皮革内部のメンテナンスはバッチリです。


続きまして表面ですね。
全体に乳化性クリームと呼ばれる柔らかいワックスをかけたり、ポリッシュと呼ばれるワックスをかけたりして表面を保護していきます。
そこで注意するのは「塗りにくい所は破れやすいところ」ってことです。



ここらあたり!
大阪梅田の靴磨き職人のダンディズムブログ-黒スト・エディのトウキャップ接続部大阪梅田の靴磨き職人のダンディズムブログ-黒スト・エディの内踏まず
要するに革の継ぎ目ですね。
ワックスをブラシで目視で確認出来るぐらいしっかり押し込んでやってつかぁさい。
継ぎ目には沢山穴が空けられてるぶん革の占める断面積が低いので、手入れを怠っているとバッチリ破れますよ。

特にトウキャップ継部の破れの修理以来はメッチャクチャ多いのですが、僕の知る限りこれを抜い戻せる神業を持った職人は世の中でただ一人しか知りません。
だからその人はいつも火の車です。しかも気分屋

ほんでここまで来たら好きにすればよろしかろうと思います。
鏡面したければワックスをベッタベタに塗って水ちょっとつけてクルクルすればピカピカになります。

別の靴ですが、こんな感ジング
$大阪梅田の靴磨き職人のダンディズムブログ-ハッピーウェディング
参考図:ウエディングスペシャル







総括
今回エドワード・グリーンの多分チェルシーという完全な珠玉の原石を取り上げて磨いていきましたので、完成形もやはり原石の名に負けん仕上がりとする事が出来ました。
玉は磨いて初めて宝石となります。そして石っころは磨いても石っころ。
ただし、石っころも磨けば輝く石っころとなります。

グリーンにちなんでこんな話を
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その昔、山奥で何だか気に入った石っころを見つけたオジサンがいました。
オジサンはその石っころを磨いてみたくなりました。
「アイツぁあんなカビ生えたみてぇな石っころば磨ぇて、気ぃ狂たんけ??」と周りは噂したものでした。
しかしオジサンは磨き上がった石っころがたいそう気に入り、毎日身につけて、自慢して回ったのでした。
するとその石っころが皆にもとても貴重なものに見えて来ました。
あれだけ「石っころ」と言い捨てていた石を皆が欲しがるようになったのです。

よくよく見るととても美しい石。

その後、その磨けば輝く石っころは大人気を博し、珠玉の原石としてたいそう高値で取引されるようになりました。
皆は口々に「今となっては、その石の魅力になぜ気づかなかったのか不思議なくらいだ」と言い合ったんだそうです。

なんでもない身近にあったただの石っころは、その後エメラルドと名付けられ、
人々の思い出とともに宝石箱の中で大切に、大切な日のために保管されるようになったそうです。

なんでもない変わり者のおじさんが気まぐれに磨いた事によって。

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この話、信じられないかもしれませんが、実は完全な嘘なんです。すんませ~ん!

僕が夜な夜な勝手に作った話なんですが、似たような話は「完璧」の語源に関係する和氏の璧という有名な話があります。
この話のようにその靴にはあなたにしか見いだせない本当の魅力が眠っているはずです。
でなけりゃ買ってないでしょう?
磨けばその忘れかけた魅力は必ず取り戻せます。

「光らせる」のではなく「余分を落とし、隠れた魅力を見出す」
磨くという言葉にはそういう意味もあります。


靴を「磨く」から靴磨き。
「磨くような靴ではない」靴かどうかは磨いてみたら分かりましょう。



さあどうぞ、2,100円下さいまし!



靴磨き処ダンディズム
06-7161-3522
大阪市北区梅田2-5-13桜橋第一ビル301
http://www.dandhism.jp/ ←HP
定休日は、毎月第二週目の水曜日~日曜日までです。
だから12月は11日~15日ね!
13:00-21:00
2100円握りしめて遊びに来てくだされ。
よろしくぅーす!