小川糸・万城目学他『スタートライン 始まりをめぐる19の物語』幻冬舎文庫 | 古本屋へGO!

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古本屋でのちょっと得した話や本をさがしまわったときのエピソードなどを中心に書きます。他にはフリーペーパーやPR誌の紹介など,本や雑誌に関わるささやかな日常を書いていきたいと思っています。

サブタイトル通りに19人の作家の短編を集めたものです。「文庫オリジナル」となっていますが,文庫のための書き下ろしではなく,雑誌『パピルス』に掲載された作品に加筆・修正をしたものです。ですから,単行本未収録という意味と受け取りました。

作家陣は,上記の二人の他,金原ひとみ,三崎亜記,伊藤たかみ,島本理生,橋本紡,津村記久子,西加奈子…と豪華です。

どれも8~10ページ程度の本当に短い作品なので,一つ一つはあっという間に読み終わってしまいます。

「スタートライン」というタイトルが言い得て妙で,本当に物語が今始まったばかり,これからどうなるの?というところで終わる作品が多いような気がします。

この続きが読みたいとつい思ってしまいます。つまり,長編小説のプロローグみたいな感じなのです。そんな中,中島たい子さんの「おしるこ」が,余韻を残しつつ内容的に完結しているのが印象的でした。