こんにちは。
NPO法人CLE協会(色彩生涯教育協会)の
マジカルカラーリスト、近藤智美です。

お料理を「おいしい!」と感じるのは、
実は、
味覚よりも視覚!!

 

今日は、意外と知らない、
料理と視覚の関係について。

会席料理を食べると、
なんだかすごく満たされた
気持ちになりませんか?

 

五感全部を使って味わう充足感。

私はすごく幸せな気持ちになります。

日本料理の中でも、
会席料理は
「現代の芸術作品」だとして
海外でも高く評価されています。

目で楽しむために、
器にも季節を表し、
桜の季節には、桜の花びらや、
秋にはもみじの葉が飾られたりします。

お椀の蓋の裏側には
美しい絵が描かれていて、
蓋を開けただけで
「わぁ!こんなところに!」
と驚いたりして、
食べる前から、
心躍らせる工夫が
たっぷりつまっています。

日本料理は、
フランス料理に大きな影響を与えています。

「ヌーヴェル・キュイジーヌ(仏:nouvelle cuisine)」
という言葉は、
フランス語で「新しい料理」 を意味していて、
1970年代に提唱された
フランス料理の新しい傾向です。

薄い味付けで、
素材を大事にし、
繊細に盛りつけ、
量も減らし、
器にも凝る手法です。

 

そのヌーヴェル・キュイジーヌを実践した、
ポール・ボキューズさんは、
日本の吉兆など有名な会席料理を味わったときに、
その盛りつけなどに着想を受け、
現在のフランス料理になったとか。

彼のレストランは、
この着想を得た頃から、
ミシュランの3つ星を、
40年間とり続けているそうです。

また、
お寿司屋さんのにぎりには、
セットの中に
必ず入れるべき色があるそうです。

 

5色あり、
「白・赤・緑・黄・黒」だそうです。
陰陽五行の五色ですね♪

食欲をそそる赤や橙色のほかに、
料理全体を引き締める「黒」も
重要な要素になりますね。

真っ黒な器に盛りつけると、
料理の色も映えます。

日本料理はそれだけ
「目」つまり「視覚」に
ポイントがあるのですね。
そして、
食べるまでの準備として
重要な情報を
「脳」にインプットしています。

実は、
視覚の情報がなければ、
約8割の食べ物の情報が失われたのと同じ
ことになります。
目を閉じて、
「りんごだよ」って差し出された
「じゃがいも」を食べると、
「りんご」だと思うそうです。

私たちは、目で捉えた情報により、
食べ物を認識
  ↓
過去の食べ物の情報検索
  ↓
 予 測
  ↓
受け入れ準備
  ↓
各種体内にて、ホルモン分泌や消化酵素の準備

 

などのように、
身体全体が、
視覚情報からスタートし、
受け入れ体勢を調えていくようにできています。

「わぁ!おいしそう!」と感じるのは、
「以前においしかった」料理の
自分に残っている記憶の情報検索と、
今、目の前にある料理を比較し、
その時のおいしさより上回るかを予測し、
視覚によって得た美しさにより、
「きっとおいしいはず!」
と認知しているのです。
 

五感による知覚の割合は、
視覚器官が83%、
聴覚が11%、
臭覚3.5%、
触覚1.5%、
なんと味覚は1.0%、なのです。

こうしてみると、
人間の味覚というのは曖昧なものですね。

食事の満足度は、
食空間70%、
食卓25%、
皿の料理5%
といわれており、これは
カラーコーディネイトの理想的な面積比と同じです。

理想的な面積比というのは、
7:2:1の法則のことです。

 

ファッションのコーディネイトも
この面積比にすると
おしゃれに見えます。
これはインテリアでも同じです。

見た目が楽しめるように、
彩りも五色を意識してみたりすると、
料理の腕がグンとあがったように
感じてもらえそうです。