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富山県富山市の福田税理士事務所の福田です。

自社株を移動する場合に、評価額で悩まれるケースも多いかと思います。。

個人間か、法人間か、個人法人間かによって、根拠法令等も、相続税法・法人税法・所得税法とその関連法令通達などのどの部分を引用するかが変わってきます。

そして、法令通達等に忠実に対応しすぎるのか、それとも、実務的に対応するかなど、難しい部分があります。

ところで、”支配関係株主である個人”から”非支配関係株主の個人”への譲渡については、売主・買主共に適正な時価は配当還元価額でよいとするのが主流のようです。





【平成17年10月12日の東京地裁判決】
本件判決においては、”支配関係株主である個人”から”非支配関係株主の個人”への譲渡については、売主・買主共に適正な時価は配当還元価額でよいとされました。

H28.5.7

また、この判決を読んでみると、興味深い論点が浮き上がってきました。


<財産評価基本通達における評価額を時価とする考え方について>
・個別評価にすると、評価方法・基礎資料の選択の仕方等により異なった評価額が生じる可能性がある
・課税庁の事務負担が重くなり、大量に発生する課税事務の迅速な処理が困難となるおそれがある
・あらかじめ定められた評価方法による画一的評価が、納税者間の公平、納税者の便宜、徴税費用の節減の見地から合理的である



<類似業種比準方式>
現実に株式市場において取引が行われている上場会社の価格比準による株式評価額が得られる点で合理的
(これについては、課税庁内部でも様々な議論があるようです)



<事業承継対策の一環が実質的に贈与等に等しいとの課税庁の主張について>
当該売買取引が譲渡人側の相続・事業承継対策の一環として行われたということが、同売買取引が実質的に贈与に等しい、贈与税の負担を免れる意図が存したということに直ちにつながらないとして排斥



このあたりについては、税務調査時における主張としても有効かもしれません。





【金融機関の株式買い取りの条件】
ところで、本件判決のなかで、金融機関が非上場同族会社の株式の買取にあたって、高額な対価による取得に関する疑問の検討が実施されています。

そして、この点について、数億円程度の借入の実施が株式売買の条件として付されていたことがその主たる理由としているようです。





【勝訴しても大変!?】
本件においては、平成7年分の贈与税の決定処分が平成12年1月にされました。

そして、判決が平成17年10月に確定しましたが、譲渡から約10年、決定処分からでも約5年経過しています。

このような判決があると、実務的には有難い一方で、当事者の方々の負荷は相当だったという印象を受けました。






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