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宮城では、北上川で「べっこうシジミ」と呼ばれるシジミが採れる。
日本に現存するシジミは、ほぼヤマトシジミだが、砂地で生息すると貝殻がべっこう色になるため、特にその色のシジミを「べっこうシジミ」と呼ぶのだそう。
北上川下流域は、震災で津波が川を遡り、甚大な被害を受けた。
湾や河口の形が変わり、漁業も打撃を受ける。
シジミも壊滅状態。
けれども、踏ん張っている生産者が、シジミ漁を再開させた。
他県から稚貝を購入して放流し、漁師たちは費用を押さえて共同で生産するようにした。
厳しい状況だが、悪いことばかりではなかった。
震災後、砂地が流されたが、河口付近の中州が地盤沈下で水深の浅い砂地になったという。
そのため、シジミの生息に適した環境が出来た。
昨年6月、漁師さんたちが調べたところ、小さなべっこう色の稚貝を見つけたそうだ。
北上川で生まれ育ったシジミだと思われる。
まだまだ厳しい道は続くが、人々の奮闘に呼応するかのように、小さな輝きがそこにあった。
(参考:みやぎ生協/河北新報「ベッコウシジミ石巻ブランド化へ始動」/毎日新聞「希望新聞」/大阪市漁業組合/日本シジミ研究所)