東北地方太平洋沖地震
WAEチャリティープロジェクト
「~輪へ~今こそ団結!」


この度の大地震災害に伴い、ワタナベエンターテインメントではWAEチャリティープロジェクト『~輪へ~今こそ団結!』を弊社の取り組みとして、全所属タレント、全社員一同で実行と提唱をしてまいります。

WAEとはW→Water A→Air E→Entertainmentという必要不可欠な3要素の頭文字をとって、
被災者への支援がひとつのWAE(輪へ)つながっていけばという、所属タレント・全社員の思いから名付けられました。


WAEチャリティープロジェクトホームページ
http://www.watanabepro.co.jp/wae/
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2012-02-01 10:31:59

★★★★★★☆★

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「あれ…」


追いかけていたつもりが


いつのまにかひとりで走っていた。


「おかしいなぁ…」


どこで見失ったのだろう。


夢中で走っていたから


自分がいまどこにいるのかも


わからない。



僕は


暗い路地裏に


いた。



「ねぇ、どういうこと?」



声がきこえた。



「ねぇ!どういうこと?」





「あっ…」


振り向くと


猫のようなタヌキのような


尻尾をつけた生き物。


「ねぇ、どういうことって訊いてるでしょ!」


「ど、どういうことって?」


「どうして追いかけてくるのさ!」


「どうしてって、気になったから」


「気になる?なにが」


「えっと…」


僕は言葉につまった。


「とくに理由もないんでしょ。


別に迷惑かけてないんだからほっといてよ」


「キミは…」


名前がすぐに出てこなかった。


「…ハクビシン?」


「人間からはそう呼ばれているみたいだね」


「ちがうの?」


「そういう意味じゃない、名前なんてどうでもいいのさ」


画像で見たとおり、


鼻に一本の白い線がはいっていた。


「電線、こわくないの?」


「電線?」


「いま走ってたところ。あんな細いのによく怖くないね」


「そう?まぁ走りたくて走ってるわけじゃないけど」


毛づくろいをしていると


突然顔をあげた。


「だれかきた!」


「え?」


そして、振り返るともうその姿はなかった。



「どうなさいました?」


「あ、いえ、なにも!」


路地裏を抜けると、


いつもの住宅街を


帰宅する人々。


家々の隙間から


月が見えていた。
















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2012-02-01 00:00:35

★★★★★☆★★

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「あれ?」



まあるい月の夜だった。





いつものように


なんとなく空を見上げていると


電柱の上でなにか


黒いものが動いた気がした。



「もしかして…」



音がたたないようにそーっと


近づいてみる。


柱を見上げると


やはりなにかが動いている。


シルエットではあるものの


時折、細長い尻尾らしきものや


耳のような三角形が顔をだす。



「間違いない…」



すると気配を察知したのか


ピタっと動きがとまるとそこから


電線に飛び移り走り出した。



「追いかける?」



考える暇もなく僕は


電線の下を駆けていった。














2012-01-31 15:54:24

★★★★☆★★★

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それからというもの


僕は


空ばかり見るようになった。


もちろん


正確にいうとそれは


電線であって


黒い線越しの空を


よく眺めていた。



「それにしても…」


こんなにもあるものなのか。


まじまじと見ることもなかったから


あらためて見るとその多さに気づく。



都会に網のように張り巡らされた電線。



それはまるで


街が電気という包帯でぐるぐる巻きに


されているようで


見ていてあまり気持ちのいいものではない。



「いないか…」



たとえ昼間だろうと僕は


またサーカスが観られるんじゃないかと


空を見上げるようになっていた。














2012-01-31 10:18:02

★★★☆★★★★

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「ハクビシン?」



その言葉に僕は目を丸くした。



「そう、ハクビシンだよ、きっと」



しかしそれは初めて耳にする言葉ではなく



どこかで聞いたことのある響き。



「ほら、むかしニュースででたことあったろ?」



聞いたことはあるものの、



それがいったいどんなものなのかわからないまま



ただその文字を入力して画面上に現れたその姿は



パズルのピースのように



あの夜目にしたシルエットに



ピッタリとおさまった。



そのあとに続いていたであろう



知人の解説が



遠ざかっていった。

















2012-01-31 00:06:36

★★☆★★★★★

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まあるい月が



空に浮かんでいるときだった。





「猫?」



背後に気配を感じて



振り返ってみると



猫らしきものが



まるでサーカスの綱渡りのように



電線の上を歩いていた。



尻尾が猫のようで



胴体がタヌキのようで



月に照らされて



顔や色がよく見えない。



ほんの数秒間の出来事。




それにしても



野良猫をよく見かけるとはいえ



果たして電線の上を歩くだろうか。



タヌキなんてもっとあり得ない。



いま目にしたものは



なんだったのか。



たしかになにかが



あの線の上を歩いていた。





月は



それがなにか



知っているようだった。













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